フリスクDSPラジオの製作No.1(2017/4/27:アンテナ共用回路追加)
aitendoで大量に発売されるDSPラジオ関連商品をただ眺め続けるのも辛くなってきたので遂に手を出しました。それなりに小型安価でLR音声出力の同相/逆相が選択できる【AKIT-M6952S(V2)】を選定、これをフリスク120の空きケースへ詰め込みます。限られた容積を目一杯使い大容量な角型リチウムイオン電池を搭載したことで連続稼働30時間を誇る実用品が完成しました。
※これの応用で連続稼働100時間の据え置き形も完成!⇒据え置き形DSPラジオの製作No.1
※さらに連続稼働24日間の据え置き形弐号機も完成⇒据え置き形DSPラジオの製作No.2
※さらにフリスク120サイズを一回り大きくしたポケット形なんてのも既に完成しています。
※そしてDSPラジオを100均の充電用電池BOXへ組み込んだポケット形の参号機なんてのも。
※2017年12月5日、ポケット形4号機も完成しました。
前回の状態から追加した機能があります。チューニング時の同調表示LEDと内蔵リチウムイオン電池を充電するための外部接続端子です。これらはデザイン優先のため、同調ボリューム、バンド選択スイッチ、音量ボリューム、電源スイッチ兼用4極ジャックと共に同一な側面に集めてあります。
これは4極ジャックへステレオイヤフォンを差し込みんで実際に受信動作しているところ。電源スイッチはステレオプラグを差し込むことでONとなる様に4極ジャックを上手く配線しています。白いイヤフォンプラグ横にある小さくて青い同調LEDの光っている様子が判るでしょうか。普通は赤LEDとかなんでしょうけど、青のほうがカッコイイです。それと電池電圧が放電末期の3V以下まで落ちてくると、同調していても光らなくなるので充電時期の目安になるという利点も。
この写真は内蔵リチウムイオン電池が実際に乗っかっているところで、使っている単セルは最終的に3.7V1010mAhのものとなり、大容量なタイプを詰め込もうとするとこんな感じの二階建て構造にするしかなくてかなり苦労しました。
単セルの出所は第83呟【リチウムイオン電池パックを分解する⑪】で、これよりも薄くて楽に詰め込めるタイプはあるんですが、その代わり容量が少なくなってしまい選定では悩んだところです。DSPラジオ受信動作時は30~35mA程度の消費電流を食っているので、このセルの容量ならばだいたい30時間程度は連続で使えるものと推測しています。
内蔵リチウムイオン電池を充電するには、内箱に埋め込んだ二組の丸ピンを介して外部充電器を接続します。内箱に固定してある剥き出しの端子は、必要最小限の穴しか開いていない外箱を被せて上手く隠すことで、金属などに接触してショートするのを防げる構造です。
リチウムイオン電池を跳ね上げて一階部分の各パーツを眺めて見たところ。配線は上手くやらないと厚みが出てしまい、リチウムイオン電池が納まらず外箱が閉まらなくなるので取り回しに苦労した結果がこれで、結局あまり綺麗に出来ませんでした。もじゃもじゃと丸まっているコイルはFM用のアンテナで気休め程度に付けてます。本当はイヤフォンコードをアンテナ兼用にしたかったんですけれど分離回路が上手くできなくて妥協した結果です(→改善しました。下の4/27改良情報参照)。
この写真なら良く判るので説明しておきますけど、同調表示用の青LEDはチップ品を使っており、そこに直付けしたφ1mmの光ファイバーを通して外箱に空いた穴まで導光しています。写真では光ファイバー先端が箱の外へ飛び出しすぎている様に見えますけれど、これはわざと固定せず自由に抜き差しできるようにしているから。蓋を占める時は内箱から引き出した光ファイバー先端を外箱へ先に通してから被せます。上手く被さったら飛び出している光ファイバーを面一になるまで押し込めば見た目キレイに仕上がるという訳です。ちょうどBトレインショーティーの前照灯をLED化改造する時に使う光ファイバーが上手く転用出来て大助かりです。
~20170427の改良情報~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
FMアンテナの扱いに改良を加えました。当初はイヤフォンコードをアンテナ兼用にする予定でFM-ANT端子を音声出力4極ジャックのアースへ単純に繋いだらイズまみれになってダメでした。そこで高周波分離回路を挿入しようと思って小型なフェライトビーズを探していたところ、千石電商でお手頃の品を手に入れました。早速コイル巻いて音声出力ラインへ挿入したらピタリとノイズ無くなって上手くいきましたのでご報告です。
上図ではφ3.5mmの4極ジャックを上手く使って、ステレオプラグを差し込んだ時に電源が入る様な工夫をしています。そのため、一般的に3極ステレオジャックを使った同じ様な回路を組むよりも余分にもう一つフェライトビーズを使ってしまっていますけど。
~20170228までの状態~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
aitendoのDSPラジオキット【AKIT-M6952S(V2)】を使ったフリスクDSPラジオの製作は順調に進んでおり、今回は最大の難所であったケース加工が終了したのでその様子を記載しておきます。
横幅が広く、若干厚みが増したフリスク120のケース。横に立てて置いた時に天を向く側面へ集中して操作系をまとめてあり、他3ケ所の側面は無加工になってます。2つあるボリューム用の細長い角穴(2mm×10mm)や切替スイッチの小さな角穴(1mm×4mm)を加工するのが一苦労でした。
内部の様子。一度全て配線して動作は確認済みです。またもや配線がウニ状態になってしまったので、見た目を綺麗にしたくやり直す前の写真です。左端の小部屋部分へバーアンテナのPA-63Rがピッタリ入って素直に固定できたことは、作る前には判らなかったことであり棚ボタでした。
フリスク120の内箱に入れることのできる最大厚みは9mmです。その下半分へ組み込むのは、DPSラジオ基板、音量調整ボリューム、受信選局ボリューム、受信バンド切替スイッチの4パーツで、これらは厚みを3.5mm以内にする必要がありとても苦労しました。おかげでクリスタルや47μFのパスコンは基板上に取り付けることができず外付けになってます。
そして上半分5.5mmの空間には角型リチウムイオン電池が載ります。これで先の4パーツ分の厚み3.5mmと併せて9mmジャストとなり、外箱は綺麗に被さってくれるという訳です。
~20170223までの状態~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ラジオ少年には何かと天国なお店aitendoが発売しているDSPラジオを作ってみるのです。前回チラッと見せた配線ウニ状態な恥ずかしいシロモノから打って変わり、今回のはフリスク120の空きケースへ詰め込むことを想定した本格的な加工寸法割り出しのための試作機です。
フリスク120の内箱ケースへ詰め込み可能な横幅は、旧製品よりも5mmほど広がって32mmちょっとになりましたから、色々と組み込むのは楽になりました。数あるaitendo製DSPラジオの中から、LR音声出力の逆相/同相設定が選択ピンで選べるAKIT-M6952S(V2)を選定しています。完成品モジュールよりもキット(V2)の方では基板がより小さく出来るので限られたスペースへ突っ込むには御誂え向きです。
各部の詳細をば少々。LR音声出力にはφ3.5の4極ジャックを利用し、ステレオのプラグを差し込んだ時に3極目が4極目のグラウンドにショートすることで電源ON/OFFを実現しています(1、2極目はLRに使用)。これは自作エフェクターの電源スイッチ省略化で良く使う手法ですね。
受信バンドの選択には一時的にありあわせのカーボン抵抗で作ったネットワークを付けていますが、必要なのはAM、FM1、FM2の3バンドだけなので、22kΩ、30kΩ、130kΩのチップ抵抗があれば小型最適化できます。
チューニングと音量用のVRには厚み3.5mmの薄型ダイヤル式を選定していますけれど、選局がクリティカルなチューニング用に関しては多回転ポテンショメーターにすることも出来ますね(実験済)。
バーアンテナは長さ30mm程度の製品を3タイプ準備して実験しました。結果は、aitendoオリジナルな二品種よりもアイコー電子製PA-63R(旧マックス品)のほうが受信感度高かったので今回採用してます。aitendoで同じコア径φ6mmの製品はコイル部分の径が9mmもあって入んないんですってば! それで楽に入る薄型で角型な製品を試してみたんですが、コア断面が減ってその分感度下がっちゃうみたいなんですよね、ちょっとガッカリ。
このDSP6952チップは結構な電気食いでありまして、受信中はなんと35mA前後も消費します。これでは電源をケチってボタン電池とかコイン電池で妥協すると数時間しかもちません(そういう製作記事多いし)。そうなると実用的とは言い難いため、容量の大きな3.7V1050mAhの角型リチウムイオン電池を搭載、これなら30時間は連続で使えるという算段で十分実用になるかと思います。
連続稼働時間を気にするならばもう一回り大きめなセルを搭載できるゆとりはあるんですけど、バーアンテナに近づけすぎると感度が落ちてしまう事実を確認したため、写真の様に20mm位は離さないとダメっぽく、この大きさのセルで我慢なのです。
さて、これであとは仕上げ段階に移行できる状態まで辿り着きました。各パーツの配置を今一度最適化し見た目にもカッコ良くしなければなりません、もうひと踏ん張りです。
※製作は各人の判断にて行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなく。
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