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2020年3月22日 (日曜日)

100均ライト改造報告No.27-3【COBホルダーライト改造】(2020/3/22:新バージョンの回路改造詳細~こちらに 移転)

COBホルダーライトの新バージョンが発売されています。
当方は知らなかったのですが[panda43]さんから情報を頂き、
調査分解、改造までをこちらのページへ新規にまとめました。

~2020年3月16日:追記(新バージョンの情報)~~~~~~~~~~~~

 [panda43]さんからの情報で、COBホルダーライトの新しいバージョンが出ているとのことで当方も入して確認しました。

Img_33843Img_33833
 パッケージに違いがあるので旧製品と新バージョンとは間違わないで買えます。旧製品にはパッケージ左上に【LED】の印刷がありますけど、新バージョンではそれがありません。また、【COB Holder LIGHT】の青文字が白抜き文字の下段に配置されているのが新バージョンなので違いは明瞭です。なおパッケージ裏面のJANコードは同じです。また裏面の取り扱い説明文は可成り変わったので違いが判ります。


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 中身を見てみると、旧製品はCOBモジュールが単体のアルミ基板で作られており昇圧回路は別なガラエポ基板に組んでありますが、新バージョンではCOBモジュールがCEM3ガラエポ基板上に構成されていて、その同じ基板裏側へ昇圧回路が作り込んであり文字通り一体化しています。


Img_33922Img_33932

 基板のみ取り出して見てみます。基板の端っこに昇圧回路がこじんまりと構成されており、3端子の昇圧チップと6端子の点灯制御チップとが確認できます。2.2μHのマイクロインダクターとチップコンデンサーも確認でき、これらは旧製品と同じ構成でした。配線を追いかけていくと、電池→昇圧回路→点灯制御回路となっているため、電池を入れたら点灯しなくても昇圧回路が待機状態で常に電気を食っている状態で、これは旧製品から変わっていませんでした。待機状態にあるかどうかはAMラジオにジジジジと雑音が入ることで確認取れてます。

~2020年3月18日:追記(新バージョンの改造方法)~~~~~~~~~~~~
 一先ず旧製品と同じ方法で、待機電力を食わない改造方法が新バージョンにも有効かどうかを検証するためのテスト機を作ってみました。使ったパーツはショットキーバリアダイオードに最もオススメなPANJITのSBM1045VSS、昇圧電圧平滑用のチップコンデンサーは100μFを2個並列です。プレテスト機ではショットキーにロームのRB411Dを、平滑用に100μFの電解コンデンサーを使いましたが、両者とも問題なく動作確認取れました。
 
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 昇圧用3端子チップのGND端子を電池マイナスから切り離すため、一部パターンカットを行います。ショットキーバリアダイオードは径がφ5mmで長さは10mmもあるため、基板上に載せると写真へ示す様にスゴい状況になってます。電池の最低動作電圧は犠牲になりますけど、もっと小さなショットキーにした方が改造は簡単でしょう。
 昇圧電圧平滑用コンデンサーは元のものを取り除いた後、ちょっと大き目な100μFチップコンを取り付けるため位置を少しズラしてハンダ付けしてます。これにはハンダレジストを一部削って取付け用ランドを新しく作って利用。バカでかいショットキーに場所を取られてしまったので、チップコンは2階建て並列接続にして合計200μFにしました。ショットキーダイオードに小さなものを使えば平滑用コンデンサーは大き目な電解コンデンサ―が乗せられるので、わざわざズラしてハンダ付けするためにハンダレジストを削って新しい取付けランドを作る必要はありませんね。
 あと配線はφ0.26ポリウレタン線の外皮を剥いた芯線でやっています。兎に角、改造で手を入れる箇所のパターンが細かいので、部品も配線も極力場所を取らない様に工夫しなければならないのが新バージョンでの改造では気を遣うところであります。
Img_34283
 部品はまだ乗っかっていますが、配線パターンがどのように繋がっているか色分けして図示したものが上図です。ま、これはあまり重要ではありません、一つだけ言っておくとしたらSOT23-6形な6ピン点灯制御チップの5番ピン端子パッド(黄色)はタクトスイッチの一方の端子に基板裏側を通して繋がっている事をお知らせしておきます。
Img_34285
 そしてこちらの方が重要なのです、具体的にどのように改造するかを図示したものです。
作業①SOT23形3ピン昇圧チップのGND端子に伸びている銅箔パターンを切り離す(赤線で図示)。
作業②切り離したGND端子は、SOT23-6形6ピン点灯制御チップの4番ピンと繋ぐ(緑色で図示)。
作業③ショットキーバリアダイオードの極性に注意してSOT23形3ピン昇圧チップのGND端子と、
   SOT23-6形6ピン点灯制御チップの5番ピンとの間に繋ぐ(オレンジ色で図示)。
作業④元々のチップコンは容量が少くて動作不良になるため、必ずコンデンサーを追加(水色で図示)。
   容量の大きな積層チップコンなら極性はないのでそのまま並列接続して容量を増やす。
   電解コンを使う時は極性に注意して取り付ける。組み込みスペースを考えて小さなものを選んで。
作業⑤ショットキーバリアダイオードを付ける端子は、ゴマ粒クラスのモノを取り付けるのであれば、
   SOT23-6形6ピン点灯制御チップの5番ピンに繋がなくとも、そこから基板裏側に回っている
   配線パターンから繋げても良いし、基板おもて側でタクトスイッチに繋がっているので、そこと
   繋げばSOT23形3ピン昇圧チップのGND端子とは最短距離で繋げる。考えて工夫してください。
Img_34233 Img_34263
 長ったらしいのでSOT23-6形6ピン点灯制御チップは【YN890】で、SOT23型3ピン昇圧チップは【YN6033】と今後は書くことにします。
 さて【YN890】と【YN6033】ですが、漸くネット上で情報を掴みました(2020年5月25日)ので詳細を抜粋しておきます。
【YM6033】の情報
  イ)入力電圧 0.85~3.3V
  ロ)変換効率 94%
  ハ)発振周波数 300kHz(PFM)
  ニ)出力電圧 1.8~3.3V
  ホ)最大コイル電流 1000mA
【YN890】の情報
  ヘ)実は【819L】だったりするらしい。
  ト)なのでなのでNo.27のページを参照のこと。
※分解と改造は各人の判断で行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。

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実用的なLEDライト改造」カテゴリの記事

コメント

クロヤマネ子さんが3/20に詳細情報を公開してくれてからコメントを入れるタイミングを考えていました。
拡大写真だけを見ると[簡単に改造できる?]という妄想を持ってしまいます。
でも、5mm方眼を元に実寸にしてみると非常に難しいことが理解できます。
やはり、細かい改造をやり慣れていないと無理そうです。

[panda43]さんからの希望を元に仕上がった詳細記事ですから[panda43]さんよりも先にコメントを入れては申し訳ないと思っていました。
しかし、23日夜になってもコメントが入らないから、もういいだろうとコメント投稿することにしました。

[mytoshi]さん、コメントありがとうございます。

 パーツ屋さんの店頭で手に取ったパーツの型番が肉眼では読めなくなって困る様になっている身としては、今回の改造は骨が折れました。SOT23-6チップの端子から配線を引き出そうとするとそれだけで億劫です。なんとか繋がっている大きなランドを利用して、もっと簡単にやれないかどうか考えております。

 昇圧チップは併用するインダクターが2.2μHに変わったので、電流関係の数値が旧製品とは異なるのではと思っています。それを調べるにも億劫な日々が続いており自身に呆れています。

Panda43です。
改造はかなり細かい配線が必要で苦労しましたが、何とか成功しました。
配線は0.1mmのポリウレタン線を使用して、ダイオードはSOD-123のMBR0520LT1Gを
SWとNY6033の間に立てて入れてポリウレタン線で配線しました。
(SOT23-6から配線を引き出すには0.1mm以下の配線が必要と思われます)
非常にわかりやすい写真のおかげです、ありがとうございました。

[panda43]さん、改造報告有難うございました。無事に完了とのことで、お役に立てて良かったです。

 MBR0520LT1Gは持っていないショットキーだったので大きさが判らなかったのですが、調べたら米粒ぐらいのヤツでしたので相当に苦労したのではと想像します。0.1mmのポリウレタン線!髪の毛より細くて被覆が溶けてハンダが乗っているかどうかさえ見分けがつきません。

 記事を訂正しなければなりませんでした。当方がSBM1045VSSを組み込んだ時に使った配線は、φ0.26のラッピングワイヤーの芯線でした。一応あれでもやれましたのでご報告しておきます。

 もっと簡単にやれる様にしないと誰も試そうとしない( [panda43]は流石ですが)と思われるので、もっと何か工夫を凝らしたいと考えております。

Panda43です
じつは、私も初めに0.2mmのポリウレタン線で配線したのですが、ショットキーから
SOT23-6に配線するのに固いため片方をはんだ付けするともう片方が取れるし
短いので被覆をとるのにも苦労しました、しかし、0.1mmだと柔らかいので
最初にショトキーをNY6033にはんだ付けして0.1mmのポリウレタン線でSOT23-6から
引き回したら意外と簡単に配線で来たのでこの方がやりやすく2個改造しました
(0.1mmの被覆はこて先にはんだをもって5秒くらいこすると先が1mm位溶けます)

より簡単な方法としてはSD103AやBAT43などでSWとNY6033間を配線した方が
簡単かと思います
直結する配線は1/6wの抵抗の足の切れ端でも可能と思います
コンデンサは47μFでも何とか安定動作しています
(マイクロインダクターが小さい場合は大容量のコンデンサで不安定になる場合があったので)

[panda43]さん、貴重なハンダ付けテクニックを有難うございます。

 見透かされている様でビックリしましたが、[panda43]の言う通りです。最初に動作確認用で改造したタイプはショットキーにロームのRB411Dを使ったのですが、これはSOT23形でφ0.26のラッピングワイヤー芯線を短くハンダ付けしようとすると、ズバリその現象が出て苦労しました。線径が細ければそんなに楽だったとは気が付きませんでしたので勉強になりました。

初めまして。
いつも楽しく読ませてもらい、いろいろ参考にさせていただいています。

さて、STANDING LIGHT FOLDING TYPEを大量購入とありましたが、これもホルダーライト
同様に待機電力(約1.6mA)あります。

私はUSB(タイプB:メス)を追加して、SWで乾電池と切り替えるようにして乾電池時にUSB
側にすることで待機電力をなくすようにしましたが、ホルダーライト同様の改造ができないでしょうか?

[296]さん、コメントありがとうございます! 久々のコメントに舞い上がっております。

 さて本題のSTANDING LIGHT FOLDING TYPEですが、まさか!とは思いましたけれど
測ってみたら確かに1.83mAの待機電流が流れていました。でも安心ですよ、5秒後に
スリープモードになって8μAまで待機電流は減ります。8μAなら問題ありませんよね。

 恐らくですけれど、タッチセンサーの感知待ちで5秒くらいは待機モードを維持するみたいです。
それ以上何もなければスリープするようにプログラミングされているのでしょう、まぁなんて賢い!
 もしもマイコンチップにタッチセンサー搭載のPIC12系を使っているとしたら、スリープモードは
普通に搭載されているので、それかも知れません。バラしてみたところノッペラボウのSOP8形
でしたので確認は出来ていません。電源+、電源-、タッチセンサーなどのパターンを追いかけて
みれば判明するでしょう。チップを剥がしてみないと何とも言えませんけど。

 最後に、8μAのスリープモードを搭載しているので、1.83mAの5秒間の待機電流がずーっと
流れる訳ではありませんから、このまま改造せず安心して使える逸品だと思います。

以前よりはるかに更新頻度は落ちていますが、引き続き今後ともヤマネ製作所な日々をご贔屓下さい。

クロヤマネ子さん、ご無沙汰しております。
毎日のように眺めているのですがコメント入れるのは実に久しぶりです。
今回の待機電流コメントを見て投稿たくなりました。

「STANDING LIGHT FOLDING TYPE」買占めのコメントを見てからダイソーとセリアで探しているのですが近隣の4軒回ってもいまだに見つかりません。
グリオナ新製品情報3月号の商品だからもうしばらく待つか、数キロ離れたダイソー大型店まで脚を延ばすか。
見つけたら2台購入して1台は分解改造用かな?18650内蔵可能な構造だと良いなと思っています。

「溶接焼け取り」装置の方はどうやるのか検討すらつかないです。
せっかくだから実用新案など取得するなど対策してから公開するほうが良さそうな気もします。

[mytoshi]さん! お久しぶりでいかがお過ごしでしたか。昨年の7月以来のコメント有難うございます。

 毎日のように眺められている・・・、情報更新が滞って忘れられたのではないかと思っていました。
件のSTANDING LIGHT FOLDING TYPEですが、買い占めるとか書いたものの結局3箱どまり。
一台をバラしてみましたが、薄っぺらい筐体には18650形を入れるスペースはありません。
3段階ある明るさの最大時には1Aもの電流が流れるので単3電池直列3本の4.5V系では数時間
しか持たないでしょう。

 溶接焼け取りの方は、原理や装置についてはありふれたもののようで、いまさらな感じです。
ただ市販品は高機能化して数十万円台と気軽に手を出せる様なものでなくなっているので、
単機能低コスト品は敷居が低くてPRしやすいです。少しづつ原理や装置の情報を垂れ流して
いこうと考えています。

長年LEDライト改造やその他で沢山の情報を教えてもらっていますから忘れることはありませんよ!

確かに胴体部分はスリムで入りそうもないですね。
底面の単三電池部分にタブ付き18650を詰め込みたいと考えています。
2016年にライトに改造するため購入したモバイルバッテリー2600mAhの中身を移植したいです。

クロヤマネ子さん

STANDING LIGHT FOLDING TYPEの件、私の早とちりでお手数かけました。
以前のホルダーライトのことがあったので「またか…」と思い、よく調べず書き込んでしまいました。

結局待機電流も心配することもないライトということで明るさもあり、よいライトですね。
ただ、やっぱりH時の発熱が気になるので、私はCOB基板と背面の間に重ね折りしたアルミホイル
を挟み、背面についていた黒いスリットをとって、少しでも放熱するようにしてみました。

これからも書き込みを楽しみに読ませていただきます。

[mytoshi]さん、単3電池BOXを除去すれば18650形はぎりぎり一本くらいなら入りそうでした。

 単3形リチウムイオン電池14500形が容易く手に入れば、3本並列接続で楽に改造できそうです。
または、入手性悪いですが角型リチウムイオン電池か、ポリマー形を隙間に埋め込むぐらいでしょうか。

[296]さん、その後のコメント有難うございます。

 16灯COBモジュールがアルミ基板ですから上手く放熱できそうで何よりです。三段階調光のうちの
中間の明るさで当方は使っており、しばらくは無改造でいこうかと思ったのですが、タッチセンサーの
位置を別な箇所に移設したほうが使いやすいかと考えています。[296]さん放熱アイデアのアルミ箔に
センサーを繋いで、COBモジュールの背面側を触るようにすれば一石二鳥かも。

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