片軸モーターを鉄道模型用に両軸化する改造No.2(2019年1月21日公開)
※重要情報(2019年12月15日:TOMIX M-13モーター分解記事→こちら
片軸の一般モーターを鉄道模型で利用しやすくするために両軸化改造する第二弾です。前回の両軸化は軸後端を延長するという苦肉の策を用いましたけれど、普通は軸をズラすのがメジャーなやり方なので一応試してみました。実際にやってみると、上手くいく場合とダメな場合とが良く判って結果的には経験値が稼げました。
黄色いエンドキャップが目を引くタミヤ製ミニモーターで、左側はノーマル未改造、右側はエンドキャップ側に後端軸が飛び出した両軸化改造品になります。
元々シャフト自体が短いので後端側へズラしてみると、両軸化といっても3mmぐらいしかない短軸タイプになってしまいました。この軸両端へフライホイールやギヤを刺す時はあまりクリアランスを稼げません。エンドキャップ側から比較してみると、後端軸の飛び出しは僅かなものとなっているのが良く判ります。そして後端側の軸受を出す時にエンドキャップの樹脂を削るのですけど、他のモーターではよく見かけるスラストプレートが入っていませんでした。
先日にバラしたトミックスM-13モーターに付いていたフライホイールがそのまま刺さるのは、軸径がφ1.5mmだからです。M-13をバラして他の動力台車へ転用する際に要らなくなったフライホイールをタミヤ ミニモーターで再利用できるのは助かります。
そしてこれが今回のキモ、回転子の軸をズラしている加工の様子。回転子の軸が後端側(整流子側)へズレている様子がよく判るでしょうか。タミヤ ミニモーターは両軸化改造の軸押し出し法が可能なギリギリのタイプでした。写真の整流子の部分を拡大して見れば判るのですが、圧力が掛かった結果コイルにめり込む様な感じになっていますし、すこしひしゃげている様にも見えます。
両軸化改造で軸押し出し法が使えるかどうかは整流子の強度で決まります。他のモーターでも色々と試してみましたけれど、整流子が潰れずに埋もれるぐらいなら大丈夫なのですが、潰れて変形してしまうものもあってそうなると完全にオシャカです。
今回のタミヤ ミニモーターでは整流子が潰れるところまではいかずとも僅かに押し込まれるような形になり、再び組み直して動作確認すると回転子が軸方向にスライドして振動する不具合を確認しています。なので新しくスペーサーを噛まして軸方向スライドを抑える様に対策を講じねばなりません。予想通り、軸押し出し法はモーターそのものを破壊する可能性が高く、難易度の高い改造方法と言えます。
※改造は各人の判断で行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。
【こちらもご参考に】
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