100均ライト改造報告No.30【調光タッチスイッチライト】(2019/1/13:分解と解析)
100均店ダイソーで見つけてきたグリーンオーナメント製の【調光タッチスイッチライト】を分解・解析です。100均のLEDライトでタッチスイッチ搭載のものは【自動車用USBタッチセンサーライト】がありましたけど、あれは単純なON/OFFしかできませんでした。でも今回のこれは周波数およそ30kHzのPWM駆動で100%~3%まで調光できるスグレものです。
ちょっと前に出た同じグリーンオーナメント製の【LEDミニタッチライト】みたいなフォルムで、あれは乳白色半透明ドームのところが押しボタンスイッチになっていましたが、今回の新製品はマークのある箇所がタッチセンサーになって電源をコントロールしています。
例のごとく、電源は単4形の3本直列で4.5V仕様となっています。この電池BOXのデルタ配置は同じグリーンオーナメント製の【LEDランタン】を踏襲してますね。
バラしてみるとデルタ配置な電池BOXの中央部に17mm角ぐらいの基板が入っており、タッチセンサーは前面カバーのマーク裏側にφ10mmの銅箔テープを配した構造となってます。LEDは意外でしたがチップ形を一個しか搭載していませんでした。
基板部分だけを取り外してみました。タッチセンサーおよび調光を制御しているのはSOT89-6形の無印なチップです。他には1S4(表記はS4)らしきショットキーバリアダイオードと、NchパワーMOSFETのSi2302(表記はA2SHB)が確認できます。なお、基板はガラスエポキシのFR-4を使っていました。
配線パターンを読むためいつもの様に一旦パーツを全て取り外します。チップコンデンサーの4.7とシルク印刷してある方は4.7nF(4700pF)で、もう一方は10μFでした。チップ抵抗は12Rとシルク印刷があり、これは12Ω(表記は120)で間違いありません。
調光はPWMで行っているのでベースになっている駆動周波数を測ってみたら31.676kHzでした。どうりで調光していてもLEDのチラツキが無い訳です。
PWM調光のちょうど50%あたりのところで波形を見ているのが上図です。周波数が31.676kHzということは、一周期が31.569μsとなっているはずであり確認するとズバリその通りでした。
これのPWM調光を最小光度まで絞ると消灯にはならず僅かに光っています。波形を確認すると表示スケールの単位2μsに対し1μs程度のパルスを確認でき、これは一周期31.569μsが100%とすると1μsでは3%に相当し、調光範囲は100%~3%ということになります。
このSOT89-6形なチップのタッチセンサーと調光制御はフィーリングにクセがなくてとても扱いやすく、他のLEDライトへ転用するにはもってこいだと感じます。
また、コントロール出力にNchパワーMOSFETを搭載しているためドレイン電流を2.9Aまで流せる能力があり、5WクラスのハイパワーLEDでも駆動出来る可能性を秘めています。
電源をリチウムイオン電池に強化すればキャンプ用ランタンなどに化けそうで興味深いですネ(ゆるキャン△、絶賛再放送中!)
※分解は各人の判断で行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。
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コメント
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昨日たまたま同じ商品を加工していたので書き込みました。
僕はLEDチップを外してそこに配線を付けて、
電球形10LEDライトの基板を仕込みました。
駆動はUSBです。
使い道ですが、
そろそろ冬になるので保育園からの帰宅時、文字を書く勉強するのに照明が必要だからです。
調光器付きは他にもありますが、
タッチセンサータイプはスマートで使わない手はないですね(笑)
投稿: 亀吉工房 | 2019年9月13日 (金曜日) 午前 07時04分
[亀吉工房]さん、コメント有難うございました。本格的な改造では先を越されてしまいました。
この【調光タッチスイッチライト】はとても良く出来ていて¥108で買えてしまうのがスゴイところです。LEDを1チップしか使っていないので明るくないのと、電池が単4形×3本と心許ないので宝の持ち腐れ感が否めません。
[亀吉工房]さんの改造案の様に、当方も電球型LEDライトの10LEDを繋げようと考えていました。電源はリチウムイオン電池を搭載し長時間点灯出来るものになる予定で。
5V電源アダプターも100均店で¥216で手に入るので[亀吉工房]さんの様に電源をUSBでやるほうがスマートですね。モバイルバッテリーも簡単に繋げますし。
今後とも『ヤマネ製作所な日々』をご贔屓下さい。
投稿: クロヤマネ子 | 2019年9月14日 (土曜日) 午前 06時24分
初めまして。いつもコチラを参考に、当方も100均ライトの改造に勤しんでいる者です。とは言え専門知識も技術も持ち合わせていない自分にとっては、ココだと回路や部品の詳しい説明がありますので大変助かっている次第です。
さて、この【調光タッチスイッチライト】の基板を使った流用・・・実はこれまでに2つ程行っていますが、次の流用ではタッチセンサーのON/OFFが必要なく調光だけを使いたいのです。そこでこの基板を改造して、そのようにして使う事は可能なのでしょうか?
投稿: EGOIST | 2019年10月12日 (土曜日) 午後 04時49分
[EGOIST]さん、コメント有難うございました。【調光タッチスイッチライト】はバラしてから未だ改造できておらず、皆さまに先を越されている状況です。
【調光タッチスイッチライト】は、タッチセンサーの触り方によって動作の挙動が変わる様に出来ており、短く触った時にON/OFFが働き、長く触った時に調光になるというフクザツな動作をするのは既にお分かりだと思います。他のタッチセンサーICでは動作挙動を設定するピンがあったりするのですけど、このチップにはそのような設定ピンは無いようです。
残念ながら、今回は[EGOIST]さんの要望には答えられそうにありません。お力になれず申し訳ないですが、今後とも『ヤマネ製作所な日々』をご贔屓下さい。
投稿: クロヤマネ子 | 2019年10月14日 (月曜日) 午前 10時14分
身体・知的障害者の方にこのライトを改造してiPadやPCでアプリや音楽の再生ができるようにすることはできないでしょうか?
投稿: 熱田 円 | 2023年10月 5日 (木曜日) 午後 12時39分