第114呟【ダイソー製USBライターの分解】(2018年12月15日:公開)
第114呟【ダイソー製USBライターの分解】(2018年12月15日:公開)
100均のダイソーで売っている¥200シリーズなUSBライター新製品は、従来品が平べったい形だったものがシリンダー形になっており、電源の電池もリチウムポリマー形からシリンダー形に変わって進化してます。
ひとまず2、3回の動作テストを行ってから分解です。非喫煙者なので本来の用途で使うことはないから部品取り用。筒の中央にあるスリット部分をスライドすると赤熱部が顔を出すと同時にスイッチが入って発熱する仕組みです。
USB充電用コネクター側にあるネジを外せばいとも簡単にバラせます。SOP-8形なチップと黄色いパッケージのシリンダー形なリチウムイオン電池が確認できます。
反対側には赤熱用ニクロム線ユニットと発熱用スイッチの他に、動作確認用の青チップLEDが載っています。
リチウムイオン電池のパッケージ側面には【75400】との印字があり、これは径がφ7.5mmで長さが40mmなサイズで、いわゆる単6形と呼ぶものに相当します。リチウムイオン電池で単6サイズなモノは初めて見ました!
さらにこのリチウムイオン電池の驚くべきところは、+-端子の取り出し方がまるでラジアル形な電解コンデンサーと同じ構造であること! 最初に見た時は、なぁんだスーパーキャパシター積んでるんじゃないの、と思ったけれど電圧を測ってみたら4.01Vあったからリチウムイオン電池で間違いありません。
【S090C】と刻印のあるSOP-8形なチップは、リチウムイオン電池の過充放電防止機能と充電制御機能の他に、タクトスイッチで赤熱用ニクロム線を高電流でスイッチングできる機能があります。元々は電子タバコのリキッド加熱用で開発したチップなのに、電子タバコでは必要ない火を着けるための電子ライターとして転用するなんて随分と皮肉なものです。
[機能]
・リチウムイオン電池の過充電リミット電圧 4.2V
・リチウムイオン電池の過放電リミット電圧 2.7V
・リチウムイオン電池の充電電流 250mA
・赤熱用ニクロム線の最大ドライブ電流 3A
・通電時に確認用LED点灯機能あり
この【75400】形の単6サイズなリチウムイオン電池を転用すれば、細身で超高輝度なスティック形LEDライトが作れそうです。その他には、フリスクの空き容器へ省スペースで空間効率よく電源を組み込めますから、色々と応用が多そうですよ。
※分解は各人の判断で行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。
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コメント
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分解情報をありがとうございます。
制御ICが、ワンクリックで12秒電流が流れ、2秒以内に3クリックするとロックされるというのは何かに使えそうです。
「速報」の時点で近所のダイソーでも展示されるようになったことを思い出し二台買いました。「使用前に充電」と書いてあったので充電してみると、初期 (1) 230mA (2) 110mAでした。
リチウムポリマー100mAhに対して230mAは多過ぎるので即中断し、分解して30分後に電圧測定すると (1) 4.04V (2) 4.12Vでした。
その後、最大充電電流100mAに設定できる充電器で充電し、30分後に電圧測定すると (1) 4.08V (2) 4.14Vでした。(1)は電圧低めなようです。
一日経過後に放電試験しました。(負荷抵抗 15Ω、放電終了電圧 2.8Vに設定)
(1) 放電容量 79mAh、約20分、電流値は初期 250mA、最後 203mA
(2) 放電容量 91mAh、約24分、電流値は初期 242mA、最後 189mA
充電器で最大電流 100mA設定で充電すると、
(1) 78mAh(59分) 放電した分が充電されています。(2)はまだ充電前です。
放電終了電圧を2.8Vにしたのは、リポ充電池は2.6V以下に放電すると充電池としては使えなくなるという情報を見たためです。この製品に使われているS90Cの条件250mA充電、過放電停止2.7Vはリポ100mAhには少し厳しいと思います。
テスター:
Meterk 2000カウント デジタルマルチメーター Mk11 1999円
充電器:
KINDEN急速充電器C4 第二世代 1.5A充電可能(MiBOXER C4) 2464円
放電器:
HiLetgo® 2個セット ZB2L3 電池容量試験機 880円
投稿: mytoshi | 2018年12月16日 (日曜日) 午後 11時35分
[mytoshi]さん、早速にバッテリーの情報をコメント下さりありがとうございます。
まだ当方のところではチェックが進んでいませんので助かります。100mAhの容量というのは想像通りで、あの細さならそんなものでしょうか。2WAYキーホルダーライトに2本入りそうなので、やっとどうにか実用的なものができそうです。
それと制御チップの挙動が特殊な件、情報に感謝します。当方があれこれ触っていた時には突然にうんともすんとも言わなくって壊れたかと思いましたが、ロック機構とはおそれいりました。最大通電時間も12秒に押さえられているとのことで、パワーLEDを点灯した時に焼損を防止してくれそうで面白そうです。ラジオライフ系の記事ので既に提案されているアイデアですが、これは使えると感じました。
投稿: クロヤマネ子 | 2018年12月17日 (月曜日) 午後 12時42分
速報でダイソーの電子ライターかな?と思ってたのですが、やはりでしたか。
実はその初期ロット(金色)も入手済でして、そちらは電池が明らかにリポバッテリーです!というのが分かる円筒形のもの、しかも1cmくらい全長が短いのも既に確保してます。(太さはほぼ一緒)
話は変わりますが単6電池、千石でネクセルのあれが遂に販売終了となってしまいましたね…残念です(´・ω:;.:...
もうこのサイズの充電式を入手するには、秋月のアレを分解するか某密林に潜るかしかなくなってしまった。(密林には単5の充電池があるので今後のご参考までに)
追伸、例のライトは完成しました。結局青色は、元の基盤に付け直す安直設計と紫外線の方は銅板(光の1mm厚銅板、銅はやっぱり高けぇ…)に0.3mm黄銅板で嵩増しというワケワカメな仕様で基盤作成してます。
というか100均ライト関係はこれくらいにして、いい加減に某ミニサーキュラーソー用のポータブル電源作らないといけないのですが…寒いからまったく手に付かない(泣)
投稿: うさぎ鍋3号 | 2018年12月17日 (月曜日) 午後 08時24分
[うさぎ鍋3号]さんもご存知の様で二番煎じの情報ですがコメント有難うございます。
千石電商のNEXCEL製の単6形ニッケル水素が終了したのは知りませんでした。当方は330mAhのものをちょっと多めに買っておいたのですが、未だに使い切れていません。どうしても欲しくなったら9V角形のをバラせばいいかと思っています。
明るいランチャーライトの改造はあれから止まっています。紫外線LEDに入れ替えたり18650形リチウムイオン電池を突っ込む予定はあるのですが・・・・・。
投稿: クロヤマネ子 | 2018年12月18日 (火曜日) 午後 09時32分