100均ライト改造報告No.29【クリップ式自撮りライト】(2019/2/6:キャンドゥで同等品が出た)
最終更新は2019年2月6日です。(キャンドゥで同等品が出た)→追記は後ろに。
100均店のダイソーやセリアで売られているスマホ用のグリーンオーナメント製クリップ式自撮りライトを分解・解析します。LEDの点灯制御回路にPIC12シリーズらしきワンチップマイコンを搭載しており、これを他のライトへ移植すれば3段階調光式が簡単にやれると思ってのことです。
シルフィー04偵察型スカウト「ずいぶん大きなレドームね、これ使ったら通信環境が劇的に改善するかも」
from:デスクトップアーミー シルフィーシリーズ
クロヤマネ子「残念ながらそんな機能なくて、ただの自撮り用LEDライトらしいです」
~以下、分解と解析です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
電源にLR41形ボタン電池を3個直列で使うタイプのLEDライトです。LEDの点灯制御は3段階PWM調光式で、PIC12シリーズらしきワンチップマイコンを使っている様です。
発光面にはSMD形のチップLEDが9個付いており、電流はそんなに流れていないはずですがそこそこ明るいです。
回路図を書くため、一度パーツを全部外して配線パターンを読みます。チップ抵抗は4個、チップコンデンサー、制御チップ、タクトスイッチがそれぞれ一個づつ付いています。ボタン電池のプラス接点側にはバネがハンダ付けしてある他、マイナス接点側は基板の長穴スルホールメッキ面を削り出したものとなっており興味深い構成です。
制御チップは外観上ではPIC12シリーズではないかと推測しますけど、何もマーキングが無いためサッパリ判りません。
裏面にはマーキングがあって、全く意味不明です。恐らくはユーザー別プログラムの書き込みロット番号なのだろうと思います。
[A2SHB]とマーキングしてあるチップの正体は[Si2302]で、NchなMOSFETでした。今までトランジスター駆動が多かった100均製ですが、MOSFETを搭載しているのは初めて見ました。
一応回路図はこんな風になってます。メイン制御チップの電源のつなぎ方において、1ピン→VDD(+)、8ピン→VSS(-)となっていること、タクトスイッチ入力の2ピン→GP5?、LED駆動出力の7ピン→GP0?であれば、ズバリPIC12シリーズなんですけれど。
~2019年2月6日の追記情報(キャンドゥで同等品が出た)~~~~~~~~~
先にセリア店やダイソー店で販売していたグリーンオーナメント製クリップ式自撮りライトですけど、最近になってキャンドゥ店でもソックリ品が買えるようになりました。同等品の可能性を確かめるため分解して確認です。
左が先に出たグリーンオーナメント製で、右はキャンドゥ店で最近になって販売しているNikkan製ソックリ品です。
仕様や点灯制御はどちらも3段階調光式で、3秒長押しによる点滅機能があるのも同じです。
バラして基板を比較すると、これは同等品というより同一品ですね、【GC-00157】とマーキングしてあるのも同じです。
LED配置もパターンも全く同じ。キャンドゥ店のNikkan製はグリーンオーナメント製と供給ルートが違うだけなのか、どちらかのOEMなのか、そんなところでしょう。機能的にも変わらないので、部品取りにするならどちらの機種でもOK。電気特性は確認していないけれど、まさかプログラムが更新してあるなんてことはないよね? 待機電流対策しているとかだと面白いんだけど。
※分解は各人の判断で行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。
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コメント
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わざわざ部品を外してまで確認した詳しい分解記事をありがとうございます。
私はオンボードでの確認だけでした。
電源が非常に非力なLR41なので新品では[強]で90mAですがすぐに低下します。電流制限抵抗は1Ωしかない為、18650に変更すると600mA以上流れてしまいます。チップLEDの性能不明だから300mA以下に押さえてたいところです。
[弱(33%)、中(67%)、強(100%)]の順番が気に入っているから、下記のヘッドライトへ基板を組み込みたいと考えています。LEDをOPT3W相当の電球色にするととても使い易い手回し充電ヘッドライトです。
一年半前に450円で数個購入しましたが、1ヶ月後に350円まで値下がりしていてがっかりしました。
[ヤザワ 手回し充電式LEDヘッドライト(ブラック)YAZAWA BL111LDBK]
ところで、
こんな時間に記事をアップ出来たということは、試用期間で終了して更新しなかった?
それで良かったと思います。
毎日怒鳴る先輩ばかりで、その上、仕事で指先のナマ傷が絶えないのなら、身体もメンタルも悲鳴を上げてしまうと感じていましたから…
投稿: mytoshi | 2018年11月 1日 (木曜日) 午後 06時38分
再就職その後の関連記事を敢えて書いていないのに、鋭いご指摘でビックリです[mytoshi]さん。
作業の要である左肩を痛めてしまいバファリンで誤魔化しながらやってきましたが、一向に治る気配がないので諦めました。社長からは「このままだと逃げ続ける人生になるぞ」とか「ゆくゆくは孤独死だ」などと諭されましたけど、何も答えられず身を引きました。現行の現場作業状況に希望を見い出すことが出来ず、絶望しか見えてこないのでどうにもならなくなったのでした。
さて、グリオナ製クリップ式自撮りライトの件。船堀のセリア店で2個、所沢のダイソー店で3個、それぞれ入手して計5個が手元にあります。まだ解析が完全ではありませんけど、プログラミングで消灯動作にスリープモードを利用しているのであればチップの待機時消費電力は数μAオーダーなので使っていない間に電池が放電しているということはないのですが、そうでない場合は数百μA食っているので問題となる可能性を否定できません。これを検証するには測定用抵抗を使わないゼロシャント式の電流計で測ってみなければなりません。
投稿: クロヤマネ子 | 2018年11月 1日 (木曜日) 午後 07時55分
クロヤマネ子さん、諸々了解です。
焦らず…です。入院必要なほど悪化したら元も子も有りません。
自撮りライトの待機電流、
取り敢えず五個確認したところ[6.6、6.3、6.1、6.1、3.7]μAでした。
一つだけ低いのは<当たり!>のICでしょうか?
こちらのセリアでは常に五個以上残っています。今は携帯電話関連用品売り場に並んでいます。
確認に使ったDMMは[METERK Mk11]です。
Amazonnで1999円で購入しましたが、コンパクトな上に性能良くて驚いています。
[Meterk デジタルマルチメーター 6000カウント]今は2999円に値上がりしてしまいました。
投稿: mytoshi | 2018年11月 1日 (木曜日) 午後 09時40分
電流計測有難うございます[mytoshi]さん。
数μAの電流が流れているということは、これはスリープモードで待機している時の消費電流と考えるべきかと思います。上手くプログラムで処理してくれているならこれは他へ移植するのに絶好なチップ決定版ですね。
MOSFETスイッチ搭載なので、パワーのある電源を使うとLEDに数Aクラスの駆動電流が流れてしまいますから、別に電流制限手段を講じる必要あります。いつもの方法なら、定電流チップAMC7135を使って350mAや2個パラ接続で700mAを狙うか、NJW4616を使って300mA以下の定電流化とする所です。
投稿: クロヤマネ子 | 2018年11月 2日 (金曜日) 午後 03時24分
最近キャンドゥに行ってないので知りませんでした。
今度寄ってみます。でも、手持ちは有るので見るだけ。
このライトにSATAケーブルとUSB端子付けるとフレキシブルライトになります。
内部部品を転用した残骸の筐体へタッチセンサー式の無段階調光IC付けてUSBフレキシブルライトにするのも良いです。
投稿: mytoshi | 2019年2月 6日 (水曜日) 午後 11時29分
お久しぶりです、[mytoshi]さん。
このLEDライトは良く売れているのか判りませんが、単独での使用では電源が非力過ぎて是非とも改造して使える逸品にしたいです。
こちらの最近は、お金をが入るようになったのは良かったんですが、時間が代わりに無くなってしまってモノ作りが滞りがちです。そんなことは判っていたはずなのに。何かを優先すると他の何かが犠牲になるのは、もうどうしようもないコトワリのように思います。
投稿: クロヤマネ子 | 2019年2月 7日 (木曜日) 午後 12時49分
庶民にとって、時間とお金はバーターですね。
生活できてこそのモノ作りですから致し方ないところ。
生活を優先しつつ、空き時間でブログ更新して頂ければ十分楽しいです。
昨日、
セリアで「クリップライト ver.2」(グリオナの2月新商品)を見つけました。
購入しませんでしたが、下記記事を見ると昇圧回路は入っていない気がします。
https://riso.space/clip-light-v2/
改造報告No.12の3LEDを1LED化したものですね。リフが白色プラのままな所に手抜きを感じます。それとも、スポットを拡散光にするためにワザと?
まだ妄想のままですが…
3LED版クリップライトにタッチ調光ライトの回路を入れたいと思っています。
ライト部の頭にタッチセンサー設置。
電源スイッチ省略して、調光IC+FETの出力に有るLEDの代わりにCL0118B等の3V用昇圧IC接続して、改造報告No.28のレンズとパワーLEDを入れる。高周波の調光出力に昇圧ICが追従してくれるかどうか不明。
更に、3LED基板の穴を利用してレンズの外周に赤LED三個を入れ、改造報告No.21の点滅ICで電池二本から直接点灯させて非常用にする。
投稿: mytoshi | 2019年2月 9日 (土曜日) 午前 11時51分
[mytoshi]さん、情報有難うございます。
そう言えば2月に入っていたのにグリオナの新製品情報を見るのすっかり忘れてました。
クリップライトの昇圧回路無しということは、電池が新しいうちはそこそこ明るいけれどすぐに暗くなってしまうのにまだ電圧残っている状態? それとも割りと低い電圧でも光る白色LEDでも搭載しているんでしょうか。
改造案の方は、調光タッチスイッチライトの制御チップがどれくらい低い電圧まで動作するか気になります。2Vでも動いてくれるなら良いのですが。
投稿: クロヤマネ子 | 2019年2月10日 (日曜日) 午後 05時34分
> 制御チップがどれくらい低い電圧まで動作するか
実際に試してみればわかることなのですが、
RH6030やTTP223は2.0Vからと書いてあるので淡い期待を抱いています。
投稿: mytoshi | 2019年2月10日 (日曜日) 午後 07時23分
[mytoshi]さん、返信が遅くなりました。
2Vだったらいいですね、応用範囲が広がりそうです。
カタログ値よりももうちょっと低めまで動作して欲しいものです。ま、計ってみれば判ることですけど、ここのところグズグズしてます。
投稿: クロヤマネ子 | 2019年2月19日 (火曜日) 午後 12時26分