やらかした記憶・・・第47呟【ステンレスの化学研磨で薬さじが犠牲に】
【ステンレスの化学研磨】
ステンレス製の製品で顔が映り込むくらいにピッカピカなものがある。あれはどうやって作っているかというと、簡単な形状のものは機械研磨でも出来るけれど、凹みや窪み、曲線や角がある製品は機械では無理で化学処理に頼ることになる。これには電気を使って研磨する電解研磨と、電気を使わないで浸漬するだけで研磨できる化学研磨とがある。
で、今回は化学研磨。品物を浸漬する処理液の成分は塩酸硝酸からなる王水をベースに、鏡面化を促進する界面活性剤を配合したもの。90℃以上に加熱して用いるから王水の腐食性ガスが常時揮発してきて周囲はサビまみれになる。排気のできるドラフト内で処理していても臭気に気付くので、周りの人々には予め媚びを売っておかねばならない。
脱脂、酸活性で清浄化したステンレス品物を化研液にどぷんっと浸漬すると、すぐにいやらしい黄色なガスが出てきてステンレス表面が光り始める。試作ではまず品物で試す前に、手持ちのステンレス製薬さじで試すものだから、何故か部分的に光沢の違うまだらなソレがたくさんあるところをみると、誰でも同じ事をしているらしい。
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