100均ショップWatts系シルク店でグリーンオーナメント製LEDミニタッチライトを買ってみたところスイッチにオルタネート形でないタクト形を使っており、分解したらON/OFFをマイコンコントロールしている機種と判りました。これのコア部分を転用すると簡単にマイコンスイッチ機構が手に入ります。
この置きライトはフォルムが気に入っているので、それをそのまま生かしつつ1WのハイパワーLEDを10時間連続点灯できる様に改造しました。そしていつもの白色じゃ面白みに欠けるので今回は”蒼”。


改造品といっても見た目の外観は全く通常品と変わりありませんが、点灯させてみるとご覧の様に”蒼”い世界へ誘ってくれます。これはズバリ大人しい時の王蟲の目そのまんまという感じ。
「ここは王蟲の巣じゃ~」 「か、囲まれた・・・」
「私たちを調べている・・・。」王蟲、ごめんなさい、あなたたちの巣を騒がして。」
「でも判って。私たち、あなた方の敵じゃないの・・・」
「どうしたんじゃ?王蟲の目が真っ赤じゃぞ!うわ~~」
なんて『ナウシカごっこ』が出来るギミックを仕込んだら面白いかも。具体的アイデアは、
イ)パワーLEDを赤と青の2色タイプに入れ替え、
ロ)振動センサーで信号をカウントしつつ、 「静かに。怒らせてはダメ」
ハ)タイマーで一定時間内に設定カウント数を越えたら、 「な、何が始まるんじゃ?」
ニ)青から赤へ切り替える。 「怒りで我を忘れているんだわ」
ホ)振動が無くなってからの一定時間をカウントし、
ヘ)赤から灰色(消灯)へ切り替える。 「王蟲の攻撃色が消えていく」「大気から怒りが消えた」
ト)その後の一定時間後に青を再点灯する。 「王蟲が森へ帰っていく・・・」
・・・ヤバイ、なんだかそれを作ってみたくなってきました、・・・でも誰かもうやってるかも。
~具体的な改造の詳細について(2017/5/28追記分)~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このページ後半に追記しておきましたのでご参照ください。
~以前の分解と回路解析の情報~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
外径がφ60mmほどしかない据え置き形のLEDライトで、中央の乳白色ドーム部分が光ります。ドーム部分を押す度にON/OFFが切り替わる仕組みになってます。
ビンのフタを開ける要領で捻れば二つに分離できて電池BOXが顔を出します。単4形電池を3本使い、1.5V×3本の直列接続で4.5Vを供給しています。
4箇所のネジを外すと電池BOXの裏側にLED制御基板がご登場です。表面実装形のSMDタイプLEDが三つ、電源ON/OFF用の超薄型タクトスイッチ、SOP-23-5形の5pin米粒マイコン、あとはLEDドライブ用のチップトランジスターにチップコン、チップ抵抗が載っており極めてシンプルです。
LEDドライブ用のチップトランジスターには【Y2】のマーキングがあり、PNP形のSS8550と判りました。このあと部品を一つづつ外しながら銅配線パターンを読んで回路図に起こしたところ、米粒マイコンチップは5pinありますけど4pin分しか使っておらず1pinは何処にも繋がってませんでした。LEDは3個が並列に接続されており点灯時には3V前後が掛かります。
動作電圧の下限について調査したところ、2.4VでLEDが点灯しなくなってもON/OFF自体は行っており、2V以下でもマイコン自体は動作出来る様でした。上限についてはアルカリマンガン電池の新品電圧1.6V×3本直列=4.8Vでも大丈夫な設計のはずなので、テストはしていませんが5Vでも壊れないものと推測します。
そしてこれが本製品の回路図です。チップコンが電源ラインに一つ入っているのですけど、当方は容量計を持っていないので数値は判りませんが、常連コメンテーターの[mytoshi]さんによる測定結果では0.225μFとのことです(情報有難うございます)。チップトランジスターはフェアチャイルド製SS8550のセカンドソース品で、元はTO-92形なためコレクタ電流が1.5A流せる2Wクラスの製品なんですが、SOT-23形チップ化によって0.3Wまでとなっているから注意せねばなりません。電源ON時のマイコン出力はシンクになっており、PNP形トランジスターでLED駆動電流が足りない場合はP形MOS-FETを噛ませれば良いでしょう。
350mA定電流チップのAMC7135を入れてパワーLEDを駆動したい場合は、Y2のチップトランジスターはそのまま使えるので助かります。流石に350mAもLED電流を流そうとすると電池容量が問題であり、アルカリマンガン電池の単4形3本直列4.5Vなら2時間程度、単3形3本直列4.5Vならもう少し伸びて4時間くらい持つでしょうか。当方としては高容量な角型リチウムイオン電池を搭載して10時間くらいは大丈夫な様にしたいですネ。
~2017年5月24日追記(加工)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第92呟の分解記事に記載したリチウムイオン電池パックから取り出した単セルを3枚重ねて組電池にします。1セルあたり1020mAhの容量がありますから3枚並列接続で3060mAhに化けます。
LEDミニタッチライトのボディーへ先の組電池をそのまま入れようとすると、ちょうど四隅がぶつかってギリギリ入りません。なので干渉する部分に1mmほどのV字溝を刻む必要があります。
それで、これがちょうど底ケースにスッポリと入っている様子。ケース厚みは2mmほどあってV字溝が1mmの深さですから、残りの1mmで強度を保っていることになります。
ケースの上カバー側にもV字溝を入れて写真の様にスッポリと納まってます。もうちょっとセルが正方形に近ければケースを削る必要も無いのでしょうけど、そのようなセルを使うと容量減っちゃうんですよね、そこはどうしても譲りたくなかったのです。
LEDミニタッチライトの内部には最大厚みで20.5mmのものが入ります。今回、単セルは5.5mm厚のものを使っているので3枚重ねだと16.5mmにもなり、残りの隙間は4mm程となってしまいました。
この限られた隙間の4mm空間を使って制御基板と放熱板付きパワーLEDとを組み込むことになりますが、まぁそんなに苦労しないでしょう。まだセル側面部分に空きがありますから、充電用制御基板とかUSBコネクターとかを突っ込む余裕はありますし。
~2017年5月28日追記(完成)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
白いドーム状のホヤを取り外した状態。組み込んだパワーLEDが少し飛び出す形でお目見えです。
ケース上半分のカバーを取り外すと隠れていた本体が露わになります。ユニバーサル基板のランドを使っている面積は限られており普通ならこんな大きさは必要ないと考えますけれど、これは基板周縁部による位置決めを兼ねているからです。
パワーLEDの放熱板はユニバーサル基板上に数mmの隙間を空け浮かして取り付けています。300mA定電流ドライブによる発熱を逃がす目的と、光源の中心位置決め微調整を兼ねての事です。
基板左側にはタクトスイッチによるワンクリック電源ON/OFF用の回路を、基板右側には300mA定電流ドライブ用の回路をそれぞれ組んでいます。前者は元の回路に使っていたパーツを極力再利用していますが、電源パスコンだけは手持ちの1μFを使ってます。後者はJRC製NJW4616という定電流ドライバーチップを使いました。いつもならAMC7135で350mA定電流にするところですけれど今回は新しいデバイスを試したくて。
AMC7135は電流設定が350mAで固定だけど、NJW4616は外付けセンス抵抗を使って20~300mAの範囲で自由に設定できる。また、最低動作電圧はAMC7135なら2.7Vまでなのが、NJW4616だと2.5Vまで使えて有利。さらにフィードバック電圧は200mVと低く、センス抵抗によるドロップも少な目。今回はチップ1Ωを6個組み合わせて0.67Ωを合成し、300mA定電流設定として使っています。
(後日、点灯時間を延長すべくセンス抵抗を1Ωに変更し200mAに落としました[2017/6/1])
定電流設定値[mA] = 200[mV] ÷ センス抵抗Rs[Ω]
NJW4616のEN端子は10kΩで常時プルダウンしておかないと知らないうちにLEDが点灯していたりして気持ち悪いので入れておこう。ワンクリック電源ON/OFF用の米粒マイコンチップはSOT-23-5形、定電流ドライバーチップのNJW4616はSOT-89-5形で、両者ともユニバーサル基板にそのまま搭載するには難しく、ピッチ変換基板を噛ますのが良策かと思います。
※分解と改造は各人の判断にて行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなく。
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