【今、何をしてるのか?】
aitendoで入手したDSPラジオキットを組み立てて一通り動作を検証してます。AKC6952というTSSOP28ピンのチップひとつで、AMおよびFMステレオが受信できる小型ラジオをお手軽に作れそうなのです。DSP6952S(V2)という名称のハンダ付けキットで¥540(税込み)と可成りお値打ちかも。キットの他にAM受信用バーアンテナ、チューニング用VR、チューニング表示用LED、ボリューム調整用VR、電池、音声出力用スピーカーまたはイヤホン、若干の抵抗器と音声出力用カップリングコンデンサーを追加すれば出来上がるシロモノです。
【上図写真を説明すると・・・】
動作を確かめるために空中配線で仮組みしたもの。音声出力アンプ内蔵でイヤホンなら思わず外さないではいられないほどガンガン鳴るし、スピーカーだってそのまま十分駆動できるパワーあってビックリ。
【FMの受信状況から。】
簡易的に数m程度のビニール線を繋いだだけなのに、ポータブルのアナログなFMステレオラジオでは受信できなかった信号まで拾ってくるから比較的に感度高くて、関東地方でこんなにFM局あったかと思ったくらい。ある程度の信号強度があるとチューニングLEDが点灯してFM音声はステレオになる。信号が弱いとLEDは点灯せずモノラル音声なまま。AKC6952は4番ピンをGNDに落とせばLR出力が同相になるシステムなので、他のDSPラジオなどでよくあるLR逆相出力を片chだけ反転アンプ噛まして同相にする様な細工をしなくても済むから、安心して心地よいスッキリしたステレオ音声を楽しめる。ステレオ時の左右音声セパレーションも良くて文句ない。受信範囲はFMのモードが二つあって70~93MHzと87~108MHzとに切り替えて使う。日本国内のFM放送はこの二つのモードの範囲で全て受信可能だから問題ない。
【AMの受信状況から。】
仮組みなのでバーアンテナを付けない代わりにビニール線を繋いでみたけれど問題なく受信できた。1000KHz以上の局はそのままガンガン鳴ってくれるんだけれど、800KHz以下の局はノイズが増えてちょっと感度が良くない様に感じたのは、ちゃんとバーアンテナ付けてないからだろうか、まだ検証が必要。
【チューニング用のVR選び。】
回転範囲が320度しかないの一般的なボリュームを使うと可成り調整はシビアになる。スパッスパッと局が切り替わる感じでせわしない。ちょっと高価になるけれどバーンズ製などの多回転ポテンショメーターを使うと局選択時の同調範囲が数十度の角度範囲まで広がるから、従来形のバリコンを使ったアナログな同調操作感覚に近いものを得られる。
写真のバーンズ製巻線型10回転ポテンショメーターは巨大なので小型化して組み込みやすくするには数mm角の多回転トリマー型を使えば良い。同じくバーンズから横長なタイプだと15回転、縦形なタイプなら25回転仕様なため、チューニングの合わせづらさとは無縁に。ただし元々マイナスドライバーで回すために作られている回転軸だから、指先で回しやすくするためのツマミを新たに取り付ける細工は必要になる。さらに応用としてはVRを沢山並べて予め各局に同調させておき、逐次切り替えて使うことでプリセット型とすることも可能、これ既に実現してる先達あり。
【チューニング時のフィーリングとか。】
局の同調をアナログ的な可変抵抗で行っているけれども、感覚的には少しづつ合っていくリニア的なものでなくて、いきなりスパッと合う文字通りデジタル的なもの。これは可変抵抗の位置を電圧として読み取って数値化し、その増減によってデジタル同調回路を局間ステップ幅の9KHz単位(AMの場合、FMでは100KHz)で増減しているだけ。だから同調周波数はリニアな直線的変化ではなくて、ステップ幅単位の階段状に変化している。DSPなデジタルでも1Hz単位とかでステップ増減すればリニアな変化を感じ取れるだろうけれど、これはそこまで必要ないから9KHzステップで十分な訳。
【電源としての電池のこと。】
電源電圧入力範囲は2~4.5Vなので、1.5V電池の直列2~3本か、3.7Vのリチウムイオン電池が使える。消費電流は35mA前後もあり結構な大食いだから、小型化を目論んで100mAh程度のリチウムポリマー電池を使ったりすると3時間ぐらいしかもたないっぽい。当然ながらコイン形リチウムイオン電池やボタン電池アルカリマンガン電池を使ったとしても数時間もつかどうかというところ。
【今後の動向など。】
今回の仮組み実験で何とか上手く使えそうな手応えを得ることができたので、いよいよ小型化してフリスクケースへ組み込む計画が発動しそうな気配です。未だ配線ウニ状態な仮組みDSPラジオですけど、この記事を書いている最中もずっとそばで鳴りっぱなしにしていて、想像以上に動作は安定しています。
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