Nゲージ用小型動力台車の製作No.5(2016/10/18完成)
※最新情報(2019年12月15日:TOMIX M-13モーター分解記事→こちら
Nゲージ用小型動力台車の製作No.3でKATO製小型車両用動力ユニットを二つ分組み合わせた4軸駆動Bo-Bo形を作ったけれども、あれが思いのほかPWMパワーパックと相性が良くて超低速が出せるものだから再び作ってしまいました。
でも全く同じものを作るのは面白みに欠けるので、さらなる小型化を図るとともに思い付いた製作アイデアを試してみることにしたのです。
使ったパーツの構成はほとんど同じ、KATO製の小型車両用動力ユニットの動力台車側を二つ分くっつけて、TOMIX製M-9モーターを搭載した4軸駆動のBo-Bo形です。モーターの軸をぎりぎりまで切り詰めた分だけ台車間隔が短くなってます。お陰で床下にぶら下げる鉛の死重が小さくなってしまったので、新たにモーター下に別な死重を搭載する格好になりました。
この手の動力ユニットはメーカーから何種類も製品が出ていますけれど、当方のコダワリを同時に全て満たすものはありません。ピボット集電、ピボット軸受、4軸駆動形、高トルクモーター搭載、超低速運転可能な減速ギヤ搭載とゼイタクな要求ですけど仕方ありません、既製品を組み合わせて作らにゃです。
減速機構に関しては前回と同じ12枚のEC動輪ギヤ軸と17枚のEL動輪ギヤ軸とを組み合わせてウォーム軸を駆動しています。新しいアイデアとして、内径がφ1mmで外径がφ2.5mmのEC動輪ギヤ軸を支持するのに内径φ2.5のボールベアリングを嵌め込んでます。前回はφ1.5mmまで穴を拡大してから同径の真鍮線を差し込み、内径φ1.5mmのボールベアリングで固定していましたから、穴あけ加工で精度が落ちて振動の原因になってました。新アイデアでは無加工なままベアリングに嵌めれるのでギヤの噛み合わせが良くなって精度が上がり振動も減りました。
それともう一つのアイデアとして、動力台車から上がってきた集電端子とモーターとを繋ぐ方法において、前回では直接ハンダ付けして細線を巡らしていたのですが、台車回転がバネっぽい動きになってしまうのと見ため的にも良くありませんでしたので、これを改善するため元のベリリウム銅材板バネを短く切って取り付けたら外観がスッキリしたばかりでなく台車回転もスムーズになり一挙に問題が解決しました。これについては伝統的な技術が一番ってことですね。
TOMIX製M-9モーターの軸は結構長くて前回はそのまま使っていましたけれど、余っている分だけ台車間隔は長くなっていました。今回は余分な長さを極力切り詰めることにして前回よりも台車間隔の短くなった動力台車を作ることが出来ました。どれくらい短くなったかと言うと、軸間隔11mmに対し台車間隔は前回のもので20mmでしたが今回のは14mmで6mmほどなのですが、見た感じでは随分印象が異なります。
モーターとの動力伝達機構において、KATO製小型車両用動力ユニットのボールジョイントは軸が外径φ1mmなので、減速機構のEC動輪ギヤ軸の内径φ1mmにスッポリ入ってくれて加工が随分と楽になりました。これを支えるためのボールベアリングは前回だと内径φ1.5mmのものを使っていましたけれど今回はφ2.5mmの品を使っています。これを使うとEC動輪ギヤ軸の外径φ2.5mmが無加工なままでスッポリ嵌ります。そして大き目になったベアリングの外径を支える加工は取り扱いが楽になったことで直下のウォームカバーパーツへしっかり固定することが出来ました。しかしながらキラッと銀色に光るベアリングが何ともカッコイイです。
前回よりも台車間隔が狭くなったことで、TOMIX製C103カーブレールでも台車回転は余裕が増えた思います。台車の間隔は伸びれば伸びるほど回転角度が増えてしまうため、動力台車ではジョイントの伝達角度に十分な遊びがないと追従出来なくなります。
前回作った先代機と今回作った最新機とを並べてみました。どれくらい台車間隔が短くなったかというとほんの6mmほどですけど。これはちょうどモーター軸の露出している部分を切り詰めた分量に相当します。
前回の先代機と今回の最新機との構成を示した図です。モーター軸を短くした分だけ台車間隔を狭くできました。また、減速機構のEC動輪ギヤ軸の固定方法が変わっていることに気が付くでしょうか、精度高いギヤ軸を加工することなく固定できるので随分と製作が楽になったし、接着せず押し込んでいるだけなのでバラして部分交換が簡単にできる様になったのは棚ボタでした。
~2016/11/8追記:~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この動力台車をさらに小型カット加工してBトレに組み込んだモノが完成。
→Bトレインショーティー改造報告No.2【2016/11/8完成:DD51からDD16っぽいものを作る】
作り上げてから幾多もの改良を加えてきたこの4軸駆動な動力ユニット、ついに組み込む相手が見つかりました!そんでもってそのままで大き過ぎてボディが被れなかったから、少々ダイエットすることに。まず飛び出していた減速段ギヤ軸の不用部分をカット、次に台車枠も限界までカット、さらにピボット集電端子からモーターまでの配線を再び直結方式に戻して柔軟なリッツ線接続とし、もはや別物?になってしまいました。
※加工や改造、製作は各人の判断にて行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなく。
【こちらもご参考に】
片軸モーターを鉄道模型用に両軸化する改造No.2(2019年1月21日公開)
第116呟【TOMIX M-13モーターを分解する】(2019年12月14日:公開)
第115呟【キヤノンモーターEN22を分解する】(2019年6月9日:公開)
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第110呟【KATOとTOMIXとGREENMAXとCANONとワールド工芸のコアレスモーター分解】(2019/05/26追記)
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振動モーターを転用した動力台車の製作No.1(2018/6/11:製作経過)>
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