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2016年9月13日 (火曜日)

第84呟【単3形リチウム電池を分解する】

 かつて秋月電子通商で取り扱っていたリチウム一次電池で、ネクセル製1.5V単3形LFB_AAの捨てられなかったのがあったからバラしてみた。リチウム一次電池なら真っ先に3Vの製品を思い浮かべるけれど、単3形電池と置き換え可能な1.5V出力タイプのものも存在している。3Vタイプは正極材に二酸化マンガンを、1.5Vタイプは硫化鉄をそれぞれ使っているのが特徴。

 高輝度改造LEDライトで単3形リチウム電池を装填し1A以上の連続放電を続けていると、時々たった数分間の使用で消灯してしまい、開放電圧が1.6V以上あるのに電流を取り出せない現象に出くわすことがあった。大して使ってもいなく容量的にはまだ十分残っているはずなのにである。原因を推測するならば、大電流で放電すると負極集電板付近のリチウム箔が優先的に溶けてしまって、その先の未反応負極リチウム箔が取り残されてしまうからではないかと考える。

 これを立証するにはそういう状態になっているセルを分解して、未反応負極リチウム箔がしっかり残っていることを確認すればいい。

 

 [分解した時の手順]

イ)対象電池の開放電圧を測定して1.6V以上あるけれどLEDライトに入れても点灯しないことを確認しといた。
ロ)外装を保護しているフィルムをベリベリと剥がした。
ハ)正極カシメ部分の丸い保護シールは簡単に剥がせた。
ニ)ショートに気を付けながらカシメ部分をニッパーで噛んで起こしてった。
ホ)一周すると正極端子がガスケットごと取り外せるから思い切って引き千切った。
ヘ)さっき起こしたカシメ部分からニッパーを使い鉄製外装缶を円周に沿ってリンゴの皮剥きみたいに剥がしていった。
ト)そうすると剥いた外装缶が縦ロールみたいな長い螺旋状になった? ま、剥き方はヒトそれぞれだから。
チ)筒底の方まで剥き終わると、漸く簀巻きみたいな電池の本体を抜き出せた。
リ)電池本体の負極集電板がどうやったか判らないけれど筒底に溶接?されていて簡単に抜けなかったけど。
ヌ)仕方ないから筒底の負極集電板スポット部分を引きちぎってようやく簀巻き本体が取り出せた!
ル)抜き出した簀巻き本体に巻いてある薄い保護フィルムを剥がした。
ヲ)するとロール状に巻かれてあるセパレーターフィルムを解くことができた。
ワ)この辺りから少しづつ有機電解質の溶媒が蒸発してきてほんのりと甘い香りがしたね。
カ)酔ってるうちに乳白色のセパレーターをスルスルと解いていくと少しづつ発熱してきた!
ヨ)アルミ箔に塗布された正極活物質である硫化鉄のカーボン練りがボロボロと剥がれ落ちてきた!
タ)セパレーターに挟まれてちょっと発熱ぎみなのが負極リチウム箔で、予想通り十分残ってた!
レ)ここまでバラすと酸化発火する可能性が高いので全てを水没させた。
ソ)正極の硫化鉄カーボン練りは水に溶けると緑色に変化して指先がヌルヌルしてきた!
ツ)セパレーターに挟まれてたリチウム箔の残渣は激しく水素泡を吹き出しながらジュージューと溶けてった!
ネ)硫化鉄カーボン練りがヌルヌルしたのは放電したLi+と水とで強アルカリな水酸化リチウムを生成したから。
ナ)もちろんリチウム箔の残渣が水に溶けたものも同じくヌルヌルで指紋が無くなったね。
ラ)それと硫化鉄カーボン練りが水に溶けて緑色になったのは2価鉄イオンの色が出たからかな。
ム)恐らく新品をバラすと簀巻きは綺麗に抜けるけれど、放電後のは膨張してるからパツパツになってたのかも。
ウ)いずれにしても負極リチウム金属箔は取り扱いを誤ると容易に火を噴くからその性質をよく熟知されたし。

Img_08381 なお、上記写真には正極活物質が水にとけて緑色になったのとか、負極リチウム金属箔が盛大に溶けてる様子とかは映ってませんの。今度バラした時には是非撮っておきます。

※分解は各人の判断にて行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。

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コメント

久しぶりに「化学屋のキケンな日々」シリーズを読んだような気分がします。

クロヤマネ子さんの「恐ろしく危険なことを平然と行ってしまう」勇気ある行動力に感心します。(逆に言うと、無謀さに半分あきれている?)

私にはエネルギー密度の高い物を分解する勇気は無いです。

この記事で過去にいろいろ検討したことを思い出し、単三型リチウム乾電池を注文してしまいました。yodobashiでpanasonic品4本で送料込み690円。

というのは「LEDライトアルミボディ」についてのクロヤマネ子さんの「内径が広い」という情報から、ヘッドをパイプカッターで切断短縮して「CR2」ライトに改造できるかなと考えたのですが、非常用ライトには電池の価格や容量を考えると単三型リチウム乾電池の方が遥かに「お得」であることに気づきました。
それで、非常持ち出しライトは、ダイソーの「LEDスリムライト」改造品+リチウム乾電池と決めて電池を注文しました。

非常時ライトは明るさそれなりで十分なので、昇圧回路はLのみの標準回路でLP-AWME56F1Aを駆動すれば足ります。ヘッドねじ込みによりLを切り替えて明るさを調整します。しっかりねじ込んだ時は10μH(307型)並列で強点灯、少し緩めると150μH(307型)のみで長時間用の弱点灯。

改造途中のスリムライトのヘッド部内側へ追加する明るさ切替スイッチには、ダイソー「画面が見やすいキッチンタイマー」(表示が暗く、囁くような音量で使い物にならない)から取り出した皿バネスイッチを使います。電池マイナス側直結により余分のスペースが生まれたので机上の計算では追加するLも多分収まります。

ヘッドへ埋め込む点灯用スイッチは、ダイソー「ブザー付LEDライト」(下記リンク)から取り出した投影面積が小さいタクトスイッチを使います。グリオナの「サイクルセーフティライト」からもらう黒いモジュールを使うことで、クロヤマネ子さん考案の回路により1.5V系でもスイッチ接触不良に悩まされずに済みます。
http://sec-404.com/daiso-buzzer-ledrrigh.html ←ブザー付きライト最新型。
私の在庫品は下記の古い角型です。
http://blog.goo.ne.jp/tonsan2/e/1f10a0ae806e2bde86703e623c8bccdc
似た形のタクトスイッチ(秋月)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08073/


余談ですが、
幾つも購入して試してみたキッチンタイマーは、音質の良さ、音量の大きさ、表示のコントラストが高く半暗がりでも見やすいことなどから、結局、キャンドゥの下記製品が一番納得いきました。他のタイマーの圧電素子式と違って「電子ブザー」式ですから改造の面白みは無いですけど。
http://storie.club/interior/candu-what-good-is-a-simple-kitchen-timer.html

(!_!)リチウム乾電池の優れている点は、これほんとに単3形か?と疑ってしまうほど軽いのにパワーがあって10年も保存が可能なこと。多少値段高くてもそれ以上の利点があって大好物な電池です。

 こちらは、[グリオナBLT]や[ダイソーLEDスリムライト]は一先ず置いて、[キャンドゥLEDライト アルミボディ]の改造に取り掛かっています。先日は、分解するために惜しくも破壊せざるを得なかったポリカーボネート製透明窓の代わりを新しく2mmアクリル板から切り出しておりました。上手く出来たものの一旦嵌め込むと二度と抜けそうになくて奥まで突っ込めません。良く出来たリフレクターに惚れ込んでしまったので、また2本ほど追加購入しました。これで手持ちは4本、しばらく色々と試行錯誤できるでしょう。

 キッチンタイマーの件、単4形電池を使うタイプは100均品じゃないちょっと高めの製品を重宝していました。音や表示が大きいこと、筐体が必然的に大きくなるので据え置いて使う時に安定なことが利点でした。ただ水回りで使うことが多く、防水機構が施されていなかったことで度々動作が暴走して、突然びぎゃー!とか大音響で鳴り出した時には冷や汗ものでした。
 ちなみに、水没しても分解修理して使うぐらい溺愛していたのはこのタイプ。タイマーやカウンターとして使わない時は置時計にもなり、タイマー設定がテンキーなのも好みでした。
 →http://www.sky-i.jp/suisitukensa-kukikankyousokutei/taima-tokei/899.phtml

初めて購入したPanasonicリチウム乾電池が届きました。

一般に「業務用冷凍庫のような低温下でも性能発揮する」と言われているのでとても期待しています。そんな寒い環境に遭遇することは無いですけどね。

開放電圧1.82V、保存期間「15年」と長くなっている!!
カタログで分かっていても「軽さ15.0g」は持つと軽く、エネループスタンダード(BK-3MCC)の25.9gと比べると「半分近い」軽さでびっくりです。

モップのアルミ棒にBig5のヘッドを逆向きに被せたシンプル単三1本ライトを、テール側は筒へマイナス直結閉鎖式、ヘッド側へグリオナ「サイクルセーフティライト」黒いモジュールを入れれば最強軽量化ポケットライトを作れそうです。

初期電圧が高いのでこれを有効に使うことが出来る回路にしておくことが大切だなと改めて実感しています。

(!_-)リチウム乾電池の軽さは実際に手に取ってみれば一瞬で判りますね、高容量形ニッケル水素電池を複数本持っていた同じ手でリチウム単三を扱うと勢い余って取り溢しそうになります。

 アルカリマンガン形だと高電流放電したら内部抵抗ですぐに電圧下がってしまいますけど、リチウム乾電池の高い初期電圧だと電圧降下があっても比較的高めな電圧を維持できるのは随分な利点ですね。ただ、LEDライトに使っていると突然消灯して放電終了したりするので交換の目安が判りにくいという不便さを感じたことはあります。

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