第82呟【モバイルバッテリー Mobile Bank Hyper Energyのこと】(2016/10/13追記)
マルツの秋葉原店舗で店頭売りジャンク扱いなモバイルバッテリーを買ってバラしておいたので報告です。AIR’S JAPAN製「Mobile Bank Hyper Energy」という製品で、リチウムポリマー電池3.7V1800mAhを積んだ5V出力のガラケー用モバイル充電器という体裁。マルツでは部品取りにどうぞ、ということで¥300(税抜)で販売してたもの。
とてもコンパクトなモバイルバッテリー、といっても折り畳み式ガラケーと同じ大きさぐらい。最近のは18650形リチウムイオン電池を詰んだものが多くて、こんな小さいのはあまり見ないかな。充電端子や出力端子はガラケーのコネクターを使っていて、今時のUSB端子じゃないのには時代を感じさせますなぁ。
キモのバッテリーには、リチウムポリマー形の3.7V1800mAhな単セルを搭載しており、一応ちゃんと過充放電防止回路基板が付いてます。大きさは34×45×10mmで、同じ容積のアルミ深絞り外装な角型リチウムイオン電池が2300mAhあるのと比べると流石に負けちゃってますけど。
過充放電防止回路基板にはお馴染みのチップが組み合わせてあります。充放電を切り替えるスイッチにはデュアルMOSFETの8205A、制御チップにはDW01が乗っかっており現在ではaitendoにて二つとも単品で買えたりします。
メイン基板の方も良く見てみましょうか、リチウムポリマー電池の充電管理用チップと、3.7Vを5Vに昇圧するコンバーターチップとが乗ってますよ。
3.7Vを5Vに昇圧するDC/DCコンバーターには、100均USBチャージャー電池BOXにも使っているBL8530が10μHのインダクターと共に並んでいます。充電制御用のチップには定番のTP4056が使ってあってこちらもaitendoで買えたりするからお馴染みですね。
パッケージ裏側にセル情報が記載してありました。セル容量はバラした時に見た外装フィルムにマーキングしてあったのと同じ1800mAhで間違いありません。
~2016年10月13日追記分~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「バラして使うのではなく、これをそのまま使いたい」という お便りを頂きましたので、入力および出力コネクターの情報を記載しておきます。
本体側面に設けられた内部リチウムポリマー電池充電用コネクターには3ピン出てますけれど、中央が+5V電源入力で他二つはGNDになってます。また内部リチウムポリマー電池を昇圧した+5Vを出力するケーブル先のコネクターにはこちらも3ピン出ており、中央は+5V電源出力、両端はGNDとSGNDとになっておりSGNDをGNDに繋ぐことで+5V出力が出るようになります。
写真では判りづらいかもと思って図を用意しときました。なお、出力コネクターの線を途中で切断して利用する場合、リッツ線の赤は+5V出力、無色がGND、緑線がSGNDにそれぞれ繋がってます。出力を取る時、赤線+5Vと無色GNDは予め負荷に繫いでおきますがこの状態では出力は出ず、緑色SGNDを無色GNDに繋いだ瞬間から出力が出る様になります。
それではどうして最初から無色GNDと緑色SGNDとを繋がないのかというと、内部昇圧回路は外部に出力を取りださなくても動いており少しづつ電池を消耗してしまうのです。つまり緑色SGNDは内部昇圧回路の動作を止める役割をしているという訳です。なので、ここにUSBコネクタを自分で付けようとすると、単純に繋げないということに気付くでしょうか。
解説厨になりますが、昇圧チップのBL8530には出力を取っていない時に昇圧動作を止める機能がありません。大概のモバイルバッテリーに搭載している昇圧チップは出力が繋がっていない時は昇圧動作を止めて無駄なエネルギーを消耗しない仕組みを積んでいます。
B-101sシルフィー02INTERCEPTOR「おっきなコネクター・・・ちっちゃなUSBにして欲しいかも。」
※うーん、でもシルフィーにはUSBコネクターでも大き過ぎると思うんだけれど・・・。
※分解は各人の判断にて行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなきよう。
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コメント
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この内容で300円ならまずまずです。
私は以前スーパーの半額処分品で単三x3本使用する充電器を購入しました。多摩電子工業、AD25iS(microUSB出力)。エネループ使用OKと明記。
昇圧ICとFETは正体不明でしたが、エネループを入れて手持ちのタブレットを充電してみると0.83A流せました。電圧は無負荷時5.01Vから4.55Vに下がりました。
標準USB端子を追加すれば、緊急時にはモバイルバッテリー代用になりそうです。
投稿: mytoshi | 2016年7月16日 (土曜日) 午後 10時31分
(!_-)今回のこれはどのくらいの出力電流が取れるのか不明で、昇圧チップBL8530のPDF資料を見ても2、300mA流せれば良いほうじゃないかと推測しています。一応、パッケージ裏書には5V350mAと記載してありますが。
リチウムポリマー電池はさておき、充電管理チップのTP4056とその周辺パーツを抜くだけでも投資に見合う価値はありそうでしょうか。
投稿: クロヤマネ子 | 2016年7月16日 (土曜日) 午後 11時59分
>B-101sシルフィー02INTERCEPTOR「おっきなコネクター・・・ちっちゃなUSBにして欲しいかも。
体形に合わせるとここはやはり「microUSB」でしょうか?(もちろん本体側に出力管理用スイッチ増設して。)
もっとも、私の場合はいまだにminiUSBで充電する機器が活躍中ですけど。
winsows10化したノートの件は、
気力が弱くなっていてのんびり対応中です。
Win10になってからブート領域の判定が厳しくなったようでこれの影響ではないかと思っています。わたしのノート機は1GBHDDなので、まずはWin10インストール用USBからMBR修復してみます。その後はWindowsのデスク管理のみでパーティション調整をすることにします。Win7までは汎用ソフトで弄っても全く問題なかったのになあ。
投稿: mytoshi | 2016年10月13日 (木曜日) 午後 12時31分
(!_!)別記事で近況頂いてからその後のPC復旧作業に進展あったかどうか気にしていましたが、現在もアクセスはサポート機からなのでしょうか。
当方には余裕がないので今使っているこのパナ機ノーパソがおかしくなったらどうしようもありません。バックアップも取っていないので恐々としながら日々を送っております。
USBコネクターは、MiniAとMicroBタイプとを織り交ぜて使っております。小型化すればするほど各ピンの接触面積が減って抵抗高くなり電流を流せないので、あまりいい感じはしません。
[解説厨・・・]
シルフィーシリーズは公式設定では”携帯電話”という事になっているため、何等かの外部接続用ターミナルを備えているとは思うのですが・・・。電磁誘導式給電とかワイヤレス通信環境装備なら接点やコネクタは要らないのかも。
投稿: クロヤマネ子 | 2016年10月13日 (木曜日) 午後 11時24分
> 電磁誘導式給電とかワイヤレス通信環境装備なら接点やコネクタは要らないのかも。
クロヤマネ子さんが以前記事にしていた電磁誘導コイルが入った充電池のコイルを利用できる?
>現在もアクセスはサポート機からなのでしょうか。
修復はいまだに駄目です。ネットで検索しながら試行錯誤しています。
予備機(Win10Pro)で作成したWin10インストUSBは ノート機(Win10Home?)で起動してくれません。同じ機能のwin10でなければ駄目なのか?
予備機からは中身が見えているのでMBRは関係ないのかもしれない。Windowsアップデートのせい?
私もバックアップを取っておらず困っています。最近は安定していたからすっかり油断していました。以前バッファローのLinkStationが故障してデータを取り出せなくなった時以上の損失になりそうです。
マイドキュメントなどのユーザー配下ホルダーはセキュリティかかっていてアクセスできない状態で、そこに入っている肝心な重要データのコピーもできていません。万が一に備えてアクセス権を変更しておけば良かったと思っても後の祭りです。
リナックス系OSは昔よりは多機能で扱いやすくなったらしいので、KNOPPIXで起動すればアクセスできるのかどうか試してみたいと思います。
一番欲しいデータは「紙copy」で保存した数千件にわたるWEBデータとLEDライト関連のpdfやドキュメントです。今では消えてしまった情報が多いので…
My videoに入っているyoutubeからDLした大昔のミュージックビデオも今では入手できない…
投稿: mytoshi | 2016年10月14日 (金曜日) 午前 10時49分
(!_!)返信が遅くなりました、修復が難しいというのは困りものですね、アクセス権とかそんなもので読み出せないなんて、万が一のデータ漏洩に備えた機能が裏目になるなんて。
> 電磁誘導コイルが入った充電池のコイルを・・・・・
最近気付いたのですけど、電池パックに張り付いている電磁誘導コイルでフェライト磁性体の無いものは、おサイフケータイ用のアンテナです。記事を修正しなくてはなりません。
投稿: クロヤマネ子 | 2016年10月18日 (火曜日) 午後 05時28分