ichigojam、8品目。「ラッチングリレー駆動回路の検討」
『ichigojam』でラッチングリレーを上手く使いたいと思ったので。
02INTERCEPTOR「ちょっと、こんなに沢山仕入れちゃって!どうするの?」
(怒られました!)
ichigojamのI/Oピンを使ってラッチングリレーを駆動してみたくなり、専用のドライバーモジュールを検討してみたので報告です。秋月電子通商秋葉原店の店頭扱い限定品で、超小型な富士通製ラッチングリレー(FTR-B3GB4.5Z 2極2A2C接点)10個入り¥300を手に入れてみたものの、その使い方が特殊すぎて一筋縄では行かずお蔵入りになりかけたけれど大丈夫だった?
1巻線ラッチングリレーの取り扱い方法についてはネット上に詳しい説明ありますんで省略しますけど、要は一旦切り替えた接点を再び元へ戻すには今まで掛けていたコイルへの通電極性を逆にする必要があるのですね、でもそれってモータードライバーで使う様なHブリッジが要るんでないの?と思った訳。メーカー専用ドライバーチップでは確かにHブリッジを内蔵したものが出ていて、そんなことしなければ使えないリレーだから売れなくて安売りしてたのかも。
それで挫けずにもうすこし調べてみると、オムロンさんのサイトで小っちゃく説明されてたラッチングリレーの駆動方法が、もの凄くクールでイカす回路だったから、回路定数を決める実験してみて上手く使えることが判った時には思わず後頭部から背筋に電気走ったっぽい!
上図はオムロンさんのサイトに載っていた応用回路で不明だった部品定数を実験により確定し、I/Oポートの出力電圧が3.3Vしか出せないichigojamでも駆動できる様にバッファを追加したもの。本来、ラッチングリレーのFTR-B3GB4.5Zは3.3Vあれば駆動できるんだけれど、回路上に逆流防止用ダイオードが二つも入ってるから電圧降下あって4V以上掛けないと反応しない。でもichigojamには5Vを入力する回路が組んであるからそこから電源を分けてもらい、3.3VのデジタルOUT出力からTR1を駆動することで、それ以降のオムロン本来の回路を無事に動かすことが出来た!
ところでオムロンのそんな駆動回路が、どれほどクールでナイスでスマートなのか、
イ) シグナル入力HでTR1がONするとコレクタがグラウンドに落ちる。
ロ) +5V電源はSBDを通ってコンデンサを充電しながらコイルを通電し接点が切り替わる。
ハ) すぐ満充電で電流は一瞬しか流れないがラッチング動作すればそれ以上必要ない。
ニ) コンデンサに電荷溜まってもシグナル入力HならTR2のベースはGND電位を維持。
ホ) シグナル入力が切れると1kΩを通してコンデンサが放電しTR2のベース電位を上げる。
ヘ) TR2がONするとコンデンサの電荷がコレクタから引き込まれてエミッタへ流れ出す。
ト) コイルへは先程と反対向きに電流が流れるから再ラッチング動作して接点が戻る。
チ) 再びシグナル入力がHになればコンデンサへの瞬間的な充電電流だけでラッチング完了。
リ) そしてシグナル入力が無くなればコンデンサの瞬間的な放電電流だけで再ラッチング完了。
ということで、ラッチングリレーの接点切り替えには瞬間的な通電しか必要ない点をことのほか上手く利用した見事な回路なのです!
オムロンさんの駆動回路をチップ部品だけで構成してみたのが上図。基板使わず空中配線で仕上げてあるから、配線引き出す時にちょっとでもハンダ加熱間違えると一瞬でバラバラになっちゃうシロモノで。
イメージ図を元に実際組んでみたのが上図。102と103のチップ抵抗取付け面が表裏反対になっていますけど見た目の問題だけで動作には支障ありません。およそ5mm角の大きさに収まってしまうようなモジュールですけど、このあと接着剤などで樹脂埋めしてバラけるのを防いだら取り扱いも楽になるかな。
モジュールもかなり小さいですけどラッチングリレー自体も幅8mm×長さ11mm×高さ6mmともの凄く小さくて色々なものに組み込めそうで期待大です。
04SCOUT「このモジュール、何?怪しくて使えないじゃない・・・」
(警戒されました!)
写真に上手く納まる様、引き出した配線をクルクルと丸めておいたのが意図に反して怪しまれてしまいました。
このラッチングリレー駆動回路の応用第一弾が発表です。
⇒ フリスク鉄道模型用PWMパワーパックの製作No.2(2016/10/11完成)
※製造・応用は各人の意思で行い、それによって生ずる責任を負うこともお忘れなく。
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