第66呟【LEDデジタルパネルメーターを分解する】
第66呟【LEDデジタルパネルメーターを分解する】
秋月電子で最近出たばかりのLEDデジタルパネルメーターDE-2645-02は電圧値と電流値とを2段の3桁LEDで同時表示できるシロモノ。測定レ
ンジは電圧が0~100V、電流は0~10Aとかなり広い。表示ステップは電圧が0.1V単位と荒くて使いづらいかもしれないけれど、電流は0.01A単
位でそこそこ。
早速、使う前から分解。3桁LEDが2段に分かれてついている。上が電圧表示用で下が電流表示用。LED色のバリエーションは今のところ赤しかないみたい。
LED表示側の拡大。左下に見える巨大なチップ抵抗は電流測定用シャントで5mΩ。
基板裏側から。左下にワンチップマイコン、左上に電源レギュレーターIC、真ん中上の8pinのSOPは恐らく電流測定用シャント抵抗からの測定電圧を増幅するためのオペアンプらしい。
電圧測定回路を辿っていくとジャンパ接続パッドがあって、この先は電源電圧入力端子に繋がっているから、短絡すると電源電圧を読むことになりそう。右端の二組のチップ抵抗は電圧測定入力の分圧抵抗。
入力分圧抵抗は49.9kΩ(68C)と1kΩ(01B)とを使っていて、分圧比は1/(49.9+1)になっているみたい。この比率を変えたら、現状のフルスケールが0~100Vなのに対して0~10Vとかに出来るかもしれない。その時はデシマルポイントの表示位置も変更できるといいな。
電流測定用の巨大なシャント抵抗で5mΩのチップ品が付いている。ここに最大10Aが流れても大丈夫なW数のシロモノということ。
モジュール動作用の電源レギュレーターは7133Hが付いてるところをみるとロジックは3.3Vで動いているらしい。だから最低動作入力電圧がドロップ電圧含めて4.5Vになっているらしい。
いずれにしても、このLEDデジタルパネルメーターは、単独表示タイプ¥250の4個分の値段ちょっとするけれど、自分でシャント抵抗組み込んでオペアンプで回路組む手間を考えたら、電流表示用を別に自作するよりもお得な気がする・・・のかもしれない。電圧表示のスパンは100V(表示は99.9V)もいらなくて、10Vスケールで9.99V表示できる様に分圧抵抗比を変えて改造できたらいいな、と思っているところです。
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コメント
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> 早速、使う前から分解。
「まぁ、よしなに。」カテゴリーの情報と共に、貴重な「人柱精神」に感謝します。
秋月の資料を見て想像していたような内容でした。電流シャント抵抗5mΩならOPアンプ必須ですね。
表示ステップ切替できれば、10V以下を測定する時に良いです。もしかして、自動で切り替わる?
> 回路組む手間を考えたら、電流表示用を別に自作するよりもお得な気がする
私もそう思います。そもそも私にはこんなに綺麗に並べては作れません。
という事で少し探してみると本製品と同じ仕様と思われる製品は、海外では4ドルで販売されていました。
国内では、Amazonに類似品がありました。LEDは電圧(赤)、電流(青)です。10V未満は自動的に0.01V単位です。
「パネル取付け型DCデジタル電圧計電流計 赤青 100V 10A バルク品」、940円+送料150円
尚、「小型 デジタル 2in1 電圧計 電流計 DC100V 50A シャント 抵抗 (分流器) 付」赤緑表示、1090円送料込みもありました。レビューの評価は低いですが回路を理解できれば大丈夫か?
私はこれらの商品を各々1個ずつ購入してみようと思います。10A以上を測ることなど無いのですが。赤緑表示のほうが見やすそうです。
投稿: mytoshi | 2015年10月11日 (日曜日) 午前 11時53分
> 本製品と同じ仕様と思われる製品は・・・
秋月電子が取り扱う前にも類似品は沢山ある様ですけれども、詳細があまり判らないので手は出しにくいです。秋月は恐らく太陽電池を使って発電しているユーザー向けの商品として出したのではないかと思います。
既にこの後、第67呟で改造報告をしております。シャント抵抗の精度が甘いようで、若干低めの電流値を表示している様であります。オペアンプ回りのチップ抵抗値を調整すればなんとかなるのかも知れませんが、回路解析してみないと何ともです。
投稿: クロヤマネ子 | 2015年10月12日 (月曜日) 午前 01時39分
初めまして、私もDE-2645-02を購入しましたが、基板を上手く外せません、無理するとプラッチックが割れてしまいそうです。 上手く外す方法を御教授願えませんでしょうか。
投稿: HASE | 2017年6月16日 (金曜日) 午後 09時14分
( '-')/ [HASE]さん、コメント有難うございます。
自分がどうやって外したのか覚えていないのでどうしようか迷ったのですが、ちょうど手持ち在庫が残っていたので、先ほど試してみた結果をお伝えします。
イ)付属の電流計測用ケーブル(太いやつ)をコネクターに差し込む。
ロ)太い青と黒のケーブルの先を結ぶ。
ハ)プラスチックケースと基板との隙間を作るため、電源コネクター側の端に予め基板を寄せておく。
ニ)何か頑丈なフックに先ほどの結び目を引っ掛ける。
ホ)左手でプラスチックケースを持って引っ張って基板にテンションを掛ける。
ヘ)この状態で電流測定用コネクター側の端のプラ爪を右指で少しづつ広げる。
ト)すると引っ掛かりが外れて一気に抜けるはず。
チ)電流測定用コネクターやそのハンダ付けは結構強度があるので多少引っ張ってもOK。
チ)この方法で5回トライして5回とも成功しました。
以上、文章のみの説明で判りにくいかもですが、宜しくお取り計らい下さい。
投稿: クロヤマネ子 | 2017年6月17日 (土曜日) 午前 07時43分
DE-2645-02 基板取り外しの件、早速お返事いただき誠に有難う御座います。
御教授のとうり実行、一発で外れました!
早速シャント抵抗を買い求め取り換えます、有難う御座いました。
投稿: HASE | 2017年6月17日 (土曜日) 午前 10時53分
DE-2645-02を購入しましたが,
電流計の表示が安定しません。200mA単位で数値が変化します。シャント抵抗の影響
でしょうか。何が原因でしょうか。ご教示ください。
投稿: いちやん | 2018年7月 8日 (日曜日) 午前 09時29分
DE-2645-02を購入しましたが,
電流計の表示が安定しません。200mA単位で数値が変化します。シャント抵抗の影響
でしょうか。何が原因でしょうか。ご教示ください。
投稿: いちやん | 2018年7月 8日 (日曜日) 午前 09時31分
[いちやん]さん、コメント有難うございます。
電流計の表示が200mA単位で変動して安定しない件、当方ではそこまで酷い現象は見たことありませんけれど、一般的に考えて起こり得る可能性を幾つか列挙しておきますのでご参考下さい。なお、シャント抵抗はよほど熱的安定性が悪くない限り影響は少ないと思います。
[一般的な可能性]
a)メーター本体の電源が安定していない可能性。
→ マイコンのADコンバーターが基準にしている電圧に変動あれば数値暴れる。
→ 電流測定用のオペアンプ電源にノイズが入ると数値暴れる。
b)電流を測定している負荷回路そのものが元々安定していない可能性。
→ 測定回路の負荷に周期的な変動があって数値暴れる。
→ 測定回路の負荷がノイズを発生していると回り込んで数値暴れる。
c)メーター本体および電流を測定している負荷経路の近くに電磁波を発生する機器がある可能性。
→ 数値化しているのはマイコンやオペアンプなのでこれらが影響を受けて数値暴れる。
[検証の方法]
d)電源を安定化してみる。
→ メーターの電源を9V積層電池にしてみる。
e)電流測定の負荷を安定化してみる。
→ 電流測定回路に1.5V電池と1Ω前後とで作った閉回路を構成して150mAの電流を測定してみる。
[検証結果と考察]
f)メーター電源の安定性が問題だった場合。
→ メーター電源へ直列にチョークコイルを入れるか、電解コンデンサを並列に入れてみる。
g)電流測定回路の負荷が問題だった場合。
→ 負荷が常に変動する状況だったり、発振する、ノイズを発生する様な回路だと数値は安定表示しない。
以上、宜しくご参考下さい。
投稿: クロヤマネ子 | 2018年7月 9日 (月曜日) 午後 05時24分
ありがとうございました。早速検証してみます。
投稿: いちやん | 2018年7月 9日 (月曜日) 午後 10時21分