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2014年10月 9日 (木曜日)

やらかした記憶・・・第56呟【無電解ニッケルめっきライン立ち合いでの苦労】

【無電解ニッケルめっきライン立ち合いでの苦労】

 無電解ニッケルめっき浴の建浴に始まり、実際にテスト品や製品にめっき処理を行いながら不具合が出ないかどうかを確認する仕事がライン立ち合いだ。他にも表面処理ライン立ち合いは様々なものがあるけれど、無電解ニッケルめっきラインというのは季節によって楽な時期と厳しい時期とがある。

 立ち合いの楽な季節というのは春や秋など15~20℃前後の気温の時期。反対に厳しい時期とは湿度や気温の高い梅雨~真夏、そして気温が5℃を下回る真冬の時期。無電解ニッケルめっきラインというのは90℃前後に加熱しためっき浴を扱っており、液面から蒸発する水蒸気も著しい。これが梅雨や真夏の時期だと高い湿気と熱気とで相当にスタミナを消費するのだ。また底冷えのする真冬では、反対に湿気と暖気とで温かいと思うだろうけど、めっきラインは普通、建屋内にあっても密閉環境では作業できない性質なので窓開けっ放しとか、水を扱う都合上、地面は浸透しないようにコンクリートで固めてあるので足元より熱を奪っていく。立ち合いはその言葉の如く立ちっ放しだから足腰が極度に冷え切ってしまい、これまたとても辛い。

 梅雨~夏場は自動販売機とめっきラインとを頻繁に往復する。水分を常に補給しておかないとすぐに脱水症状になってしまうので。どれだけ飲んでも汗で出てしまうからトイレに行かなくても済んでしまう。真冬はどうするかというと、めっき浴を90℃前後に沸かすための蒸気ボイラーに繋がっているスチーム配管近くをうろつく。配管は足元を這うように設置してあるから近づくだけで暖まることができる。作業者ではないから彼ら専用のストーブに当たる様な真似は出来ないからね。

 どんな季節であろうとも逃れることの出来ない苦労というがある。無電解ニッケルめっき浴から立ち上る蒸気は水分だけではなく、浴の成分も一緒に飛沫となって出てくる。これが作業服や髪に浸透するので異臭まみれになる。特に高耐食性目的の浴種だと成分に酢酸を使っていることが多く、これは相当に臭いが染み付くのでもうあらかた諦めてたな。

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