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2014年10月 7日 (火曜日)

やらかした記憶・・・第55呟【コンポジット無電解ニッケル・BN編】

【コンポジット無電解ニッケル・BN編】

 無電解ニッケルめっき浴に投入するディスパージョンでは、化学式でBNと書く窒化ホウ素というものも使える。これは固体潤滑剤と呼ぶシロモノで、一般的に潤滑機能はPTFEを用いるのが有名だけれど327℃で溶けてしまうから高い温度領域では使えないので、融点2700℃のBN窒化ホウ素を用いるという訳。

 BNは真っ白な粉末でこれを予め水に溶かして混濁液としたものをめっき浴に投入する。まるでメロンジュースに牛乳を入れるかの様だ。めっき浴の撹拌はどうするかというと、BN粒子は非常に細かいので底から巻き上げる様な液流動をせずとも良く、一般的なエア撹拌などで十分に事足りる。ほんとうに牛乳入れ過ぎたメロンジュースの様で綺麗な緑白色。

 テストパネルにBNコンポジット無電解ニッケルめっきしてみると、見た目はほとんど普通の無電解ニッケルめっき上がりで少し光沢が鈍いかな程度の仕上がりになる。しっかり乾燥してから2枚のめっき処理品を重ねてみると、貼り付くことなくツルツル滑ってくれる。PTFEコンポジットだとドブネズミ色でボッタリした感じの表面なんだけれど、BNコンポジットなら外観は普通のニッケルリン合金表面と大して変わらないから、外観を重視するならこちら。潤滑作用はあるけれど撥水性はないので、水に濡れることがPTFEコンポジットと大きく異なる点だ。

 テストパネルを幾つも作っていると、普通の無電解ニッケルめっき品と混ざってしまった時に判らなくなってしまう。マイクロスコープで拡大観察しても表面上は見分けがつかないので、面倒でも一つ一つ重ねてみて滑るかどうかを確かめれば判る。ま、板モノなら簡単に重ねてみることもできるけれど、複雑形状のものだと果たしてどうやって区別するやら。

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