やらかした記憶・・・第43呟【アルマイト電解発色で感電!】
【アルマイト電解発色で感電!】
アルマイト処理品の着色方法には、酸化皮膜層の細孔に対して染色液の染料を含浸する方法と、電解で金属塩を送り込む方法とがある。アルミ建材は主に後者の方法による。
二次電解発色と呼ぶこの方法は、金属塩を溶かした溶液中で炭素電極を対極として交流電解を行うもの。試作処理で数十ボルトの交流を扱うにはスライダックが最適。ずっしりと重いのが難点だが、家庭用AC100Vコンセントから容易に可変交流電圧を得ることが出来るので重宝している。
発色可能な色合いは褐色系がメインで、もちろん溶けている金属塩によって様々なバリエーションが出せる。今回は硫酸ニッケル溶液を用いて黒褐色に仕上げるテストを実施。2Lの空ポリを切って作った容器に炭素電極を入れてスライダックに繋ぐ。もう一方の線はアルマイト処理の終わった品物を固定しているアルミジグ線へと繋ぐ。溶液に品物を浸漬してスライダックのダイヤルをゼロから徐々に上げていくと、やがて品物表面や炭素電極から微かにガスが立ち上ってくるのと同時に品物は黒っぽく着色していく。
着色の様子を見ながらスライダックのダイヤルを上げたり下げたりしていると、突然ビリビリっと来るんだな、これが。直流と違って交流では数十ボルト程度でも感電する。思わず品物を支えている腕が跳ね上がって品物もろともどこかに放り投げそうになったな。
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