Nゲージ用小型動力台車の製作No.3(2016/10/20改良)
※最新情報(2019年12月15日:TOMIX M-13モーター分解記事→こちら
Nゲージ用の小型動力台車を自作してみたシリーズ第3弾。B-B軸配置の4軸駆動型で、BトレのED75用に製作したもの。既にバンダイからBトレ向けに4軸駆動型の動力ユニットを発売しているけれど、ピボット軸受&集電じゃないし嵌め込み式の台車枠がお気に召さない。
以前から出ていたKATO製のBトレ向け動力ユニットはピボット集電で大好物なんだけど、モーターが非力で折角のB-B軸配置なのに2軸駆動型、低速運転が難しく思いっきりラビットスタートしてくれるので何とかしたいと思ってた。
そこでKATO製小型車両用動力ユニットを真ん中でぶったぎって動力台車側同士を繋げた形の新しい動力ユニットを考案、B-B軸配置で4軸駆動型、低速運転を可能にする減速機構を備えつつ、パワーのある長寿命モーターを搭載するなど、贅沢な仕様を実現できるパーツを集める日々が続き、ついに先日これらを組み合わせて完成にこぎつけた次第。
まずは真横からみたところ。中央部にTOMIX製M-9モーター(TYPE2)が乗っかってる。なぜこれを選定したのかと言うと、単体で比較的簡単に手に入るパーツであること、貴金属ブラシ搭載で長寿命、低速時でもトルクがあり12Vまで使えること、が理由。
少し斜め上から見た真横の画像。一般的な接続仕様ではモーター軸にウォームを付け台車回転中心に位置する平歯車を駆動するのだけれど、それだとあまりに普通すぎて面白くもなんともない。どうしても減速機構を追加装備したかったのであれこれ考えていたら下の図に思い至ったという訳。ま、『車輪の再発明』ってやつかこれは。
普通ならウォーム軸をモーター軸とカップリングで接続するところだけれど、そうはせずにウォーム軸を一旦モーター側とは反対側に出してそこへ減速段を構成、ウォームの上でカップリングを設けてモーターと接続する方法にした。この構成の利点は、ボギー台車の間隔を短く出来ること、M-9モーターの軸を切断加工しなくてもいいこと。
上図はカップリング部のボールジョイントの位置を説明している図。台車回転中心とボールジョイントの位置を正確に合わせることで、カーブ走行時の回転台車へスムーズに動力を伝達することが可能になる。
上はカップリング部分の拡大写真。カップリングは小型車両用動力ユニットのものを加工して転用。KATO製カップリングはφ1mmでそのままTOMIX製モーター軸とも合致するので好都合。減速ギヤからのシャフトは摩擦ロスを無くす目的で軸受にボールベアリングを使う関係でφ1.5mmの真鍮線を利用。このシャフトにφ1mmの穴を深さ1mmで開け、そこへボールジョイントのプラシャフトを押し込み瞬間接着。
上の図は減速段の説明写真。動力台車のウォーム軸にはKATO製EL動輪のギヤ軸から切り出した歯車(17枚)を取り付け、モーター軸に繋がっている減速側のシャフトには同じくKATO製EC動輪のギヤ軸から切り出した歯車(12枚)を取り付け噛み合わせてある。減速比は17/12≒1.4程度にしかならないけど、無いよりは随分マシ。
(ギヤ付近の白いモヤっとしたものはグリスで、ギヤ音は幾分静かにできる)
1エンドおよび2エンド両側の動力台車における伝達機構は全く同じ構成になってるけれど、唯一違うところがあるとすればモーターの向きくらいなもの。
(!_!) 走行テストを行ってみたところ、TOMIX製ファイントラックシリーズのスーパーミニカーブレールC103でも台車回転が追随できた(9/25再検証で判明)。また、シリーズレギュレーター式パワーパックからの電圧投入1.4VでBトレのタキ43000を2両引っ張りつつ毎秒2cmの低速走行が可能。もちろん12V印加可能なモーターを積んでいるので、流石にギヤ駆動音はけたたましいけれどフルパワーでは狂った様に走る! さらに10KHz-PWM駆動式パワーパックやワンボリュームコントロール型1KHz-PWM駆動式パワーパックでも良好に走行できた(10/2検証済み)。
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【10/2改良:死重を積んで車両重量を重くする】
床下にある動力台車の隙間をギリギリまで使い、鉛の死重を積んで車両重量を重くした。これでレールと車輪との通電性はかなり向上した。
床下の空きスペースをギリギリまで使ってる。死重は釣りで使うラウンド形状のオモリをブロック状に切り出して貼り付け。元空気溜めタンクや主抵抗器などの床下機器類オプションパーツでも良かったけれど、ホワイトメタルより比重の高い鉛に(見た目はガマン)。
ギリギリまで死重積んでるので動力台車が接触してしまっては元も子も。一応はTOMIXのC103カーブレールを走行しても台車が当たらない様な大きさにしておいた。
死重を積んでからこの動力台車全体の車両重量を検測してみたところ、25.30グラムという結果に。
あと、台車のピボット集電端子からモーターへ繋ぐ配線をやり直した。相変わらずφ0.26mmのジュンフロン線を使ってるけど、取り回し方を工夫したら台車の回転がバネっぽい動きになるのをなんとか防げたし、随分見た目がスッキリしたし。
(!_!) さて、あとはいよいよボディを仕上げる番。BトレのED75はヘッドとテールランプの電飾加工をやるかやらないか迷う。また、アルナインの『とて簡シリーズ』を使おうとしたら、凸型ディーゼルのボディではモーターが閊えて嵌らない(ぐぬぬ・・・)。私鉄近代型ELや丸窓電機切妻型などの四角いボディなら大丈夫そうなので、それならBトレ鹿島臨海鉄道のガルパン仕様ラッピング車に化けるかも(後日談⇒フレーム長さはピッタリだったのに、台車間隔をED75に合わせたから、気動車ボディでは短めに見えてしまいアウト・・・)。
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【2016/10/20追記:集電端子からモーター配線までを改良】
動力台車の製作No.5で、集電端子からモーター配線までの接続を元々のベリリウム銅材板バネ方式にしたものが良好だったからこちらもやり直すことにした。
これで見苦しい配線引き回しが無くなったことで見た目はとてもスッキリしたばかりでなく、バネっぽい台車回転の動きも無くなって滑らかになった。
【こちらもご参考に】
片軸モーターを鉄道模型用に両軸化する改造No.2(2019年1月21日公開)
第116呟【TOMIX M-13モーターを分解する】(2019年12月14日:公開)
第115呟【キヤノンモーターEN22を分解する】(2019年6月9日:公開)
片軸モーターを鉄道模型用に両軸化する改造No.1(2018年8月7日公開)
第110呟【KATOとTOMIXとGREENMAXとCANONとワールド工芸のコアレスモーター分解】(2019/05/26追記)
第107呟【Nゲージの動力に使えるモーターの分解】(2018/6/17:コイル結線方法)
振動モーターを転用した動力台車の製作No.1(2018/6/11:製作経過)>
Nゲージ用小型動力台車の製作No9(2018/4/6:抽出記載)
Bトレインショーティー改造報告No.5【2018/4/5完成:EF210の動力化】
Nゲージ用小型動力台車の製作No.8(2017/1/4発表)
Nゲージ用小型動力台車の製作No.7(2017/1/3抽出記載)
Bトレインショーティー改造報告No.4【2016/12/1製作中:ED75の電飾と動力化】
Bトレインショーティー改造報告No.3【2016/11/9完成:DD51からDB形入換機を作る】
Bトレインショーティー改造報告No.2【2016/11/8完成:DD51からDD16っぽいものを作る】
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第74呟【コアレスモーターM716PA-10は動力台車に使えるか】
Bトレインショーティー改造報告No.1【DE10からDD13を作る試み】
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