やらかした記憶・・・第26呟【催涙性な処理薬品】
【催涙性な処理薬品】
電気を使わない化学銅めっき浴は、めっき処理を行うと浴成分が変動するので定期的に分析を行って補給管理しなければならない。銅イオン、還元剤、苛性ソーダの3液を供給するのであるが、このなかで還元剤には37%ホルマリンを使っている。
スルホールプリント基板を作る化学銅めっきラインに立ち会っていた時のこと。次々と上がってくるめっき品の析出具合と分析装置が弾き出す浴状態との関連を追いかけていた。銅イオン濃度の下がり方が鈍くなかなか補給が入っていかないし、めっき仕上がりは鮮やかなピンク色だった析出銅表面がくすんできていたので、析出速度が落ち始めていることが見てとれた。このままではめっきが乗らなくなってしまう(めっきスキップという)。還元剤のホルマリンに入れている浴安定剤が効きすぎているらしいので、安定剤の入っていない生のホルマリンで薄めることにした。
補給タンクのフタを開けて工業用37%ホルマリンを投入していく。この時、20LのUN規格ポリ缶から注ぐ際、揮発してくるホルマリンが目と鼻と喉を直撃。目からは涙ボロボロ、鼻水止はまらないし、喉は呼吸するたびにヒリヒリしきて息できない。めっきがスキップしたら終わりなので急いで投入せねばならない。飛び跳ねるのもお構いなしでバシャバシャやっているものだから余計に揮発してきて状況はますます酷くなる。涙と鼻水と冷や汗にまみれて・・・・・これって一体どんな拷問だヨ。
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