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2014年8月23日 (土曜日)

やらかした記憶・・・第32呟【金めっき液からの金回収】

【金めっき液からの金回収】

 携帯電話用基板の表面処理で無電解ニッケル金めっき浴を評価していた時のこと。試験の度に新しいめっき浴を建てなければならないので無電解ニッケルめっき浴はその都度廃棄するのだけれど、置換金めっき浴や自己還元金めっき浴などは捨てずに回収しておく。何十リットル分も溜めていると、自己分解した金が容器の内側へ皮膜となって貼り付いている状態になるので、これをベリベリと剥がして回収。まだ液に溶けている金はステンレス板を電極にして電気分解し、析出が止まってガスばかり出る様になったら極板を引き上げて金を剥がす。

 かれこれ空いた時間にコツコツとやっていたら数百グラム分も集まってしまったので、その旨を上司に伝え貴金属専門の回収業者に精錬してもらって換金したら、50万くらいになってしまった。まったく廃液といってもホント侮れない。海外では、特にアジア圏内の表面処理業者では、金を狙って製造ラインのめっき浴が盗まれるものだから、終業時には槽へフタをしてカギを掛けるという。それはそうだろう、めっき浴1リットルにつき金は2グラム程度溶けているからネ。

 換金して得た金額がかなりのものだったから、これは素直に会社の会計へ上納した。名目上は雑収入?とかなんとかで。苦労して集めた金だったけれど、多分もう今頃は損失隠しの穴埋めで無くなっているんだろうナ。

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