やらかした記憶・・・第36呟【濃硫酸を作ってみた。】
【濃硫酸を作ってみた。】
『何もかもみな懐かしい過去編』
高校生をやってた頃。自動車用鉛バッテリーの希硫酸を煮詰めて濃硫酸を作ってた。ホームセンターでバッテリー強化液と称して売っていた数%の希硫酸溶液を大量に購入、薄手のガラス容器に詰めてから沸騰石代わりに珊瑚片を投入し加熱、突沸しない様に振り混ぜながら少しづつ水分を飛ばしていく。水蒸気が出なくなるとそろそろ完了、硫酸の比重が上がったことは振り混ぜている液体がドロドロしてくるから判る。やりすぎると三酸化硫黄が揮発してきて水蒸気とは違う白くて硫黄臭のケムリになるのでこれもすぐに判る。
完成した濃硫酸はきっちりとフタをして空気中の水分を吸収しない様にして冷却。手間暇かけて100mLほどの希硫酸を濃縮しても、濃硫酸としては数mL程度にしかならない。本物の沸騰石ではないのでたまに突沸し、畳やジーンズ、シャツに幾つもの大穴を空けた代償にしてはなんとも乏しい量だ。
そして現在、遠い昔の高校生は大学で化学を学び、化学薬品を扱う会社に就職。そこで好きなだけ濃硫酸を触れる境遇になったことは、その当時からは思いもしなかった。濃硫酸は皮膚の角質の厚い部分であれば大したことはないけれど、それ以外の場所では急速に皮膚表面から水分を吸い取って焼ける様な痛みを発するからすぐわかる。反対に角質の厚い部分に掛かっても気付かないことが多い。指先についていたりするのを知らずに手を洗った時、希釈溶解熱でアチッとなるから気付いたりするぐらい。
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