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2014年8月23日 (土曜日)

やらかした記憶・・・第33呟【ポンプから噴き出す苛性ソーダ】

【ポンプから噴き出す苛性ソーダ】

 薬液補給ポンプには様々なタイプがあるけれど、扱っている自動分析補給管理装置では、イワキ電磁定量ポンプを使うことが多い。これは電磁石を使ってテフロン製ダイヤフラムを駆動する方式で高吐出圧なタイプ。タラタラと連続で流れ出る様な吐出ではなく、ビュッビュッと圧力を伴って間欠的に噴き出す感じ。

 これまた無電解ニッケルめっきラインに立ち会っていた時のこと。イワキ電磁定量ポンプEH-E56タイプ(1250mL)を使って苛性ソーダ溶液を補給していたが、ポンプ吐出口付近で苛性ソータが漏れて少しづつ噴き出していた。バルブの締め付けが甘いか、ブレードホースの接続が外れかかっているかのどちらかなので、工具を使って追い締めしていたらホースが根元から外れてしまった。慌ててバルブを緩めてホースを繋ぎ直そうとしたら、ちょうどそのとき管理装置から補給指令が入ってポンプが駆動し始めた。途端に吐出口から高濃度の苛性ソーダ溶液が噴き出す!

 おもいっきり顔面に噴射してきた苛性ソーダが目に入らない様にギュッと閉じ、手の感覚だけを頼りにホースを押し付けてバルブを閉めていく。補給装置のポンプ動作を一時的にでも切っておかなかったことを悔やみつつ、苛性ソーダまみれの顔面と両手を犠牲にしてなんとか締め切った。すぐにラインを離れ、洗面所で随分と長い時間洗い流していた。両手は皮膚が溶けて指紋なくなるし、顔面はすこしヒリヒリするしで散々。

 目に入らなかったのは不幸中の幸い。でも、頭皮に付着した苛性ソーダは完全に洗い流せていなかったらしくて炎症が長引いた。そしてそれが治ったころから妙に禿上がる速度が加速したのは年のせいでないことは間違いない。

 大概、アルカリ溶液というのは酸性溶液よりも浸透性が高くて、僅かな隙間に易々と浸み込んで蒸発乾固するから締め付け部分のあちこちで粉を吹いていることが多い。アルカリマンガン電池が液漏れしやすいのは、内部電解液に高濃度な水酸化カリウム溶液を使っているからであって、放電末期に陽極の二酸化マンガンで酸化出来なくなった水素がガス化して内圧を上げ、これに押し出される様にガスケットから染み出すから。

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