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2014年8月19日 (火曜日)

やらかした記憶・・・第22呟【ある処理剤を建てると咳込む件】

【ある処理剤を建てると咳込む件】

 ガラスエポキシ系プリント基板(FR-4やCEM-3など)で銅箔の密着性を高めるために樹脂部分をエッチングする時や、鉄鋼系材料などのエッチングで生じたスマット成分を除去する時などに用いる処理剤がある。酸化剤としての過マンガン酸カリウムを高濃度の苛性ソーダに溶かしたアルカリ過マンガン酸カリウム系エッチング剤だ。

 使用温度が80℃前後なので、建浴するときはお湯に過マンガン酸カリウムと苛性ソーダとを溶かすと素早く作れる。紫色の綺麗な粉末である過マンガン酸カリウムを規定量のお湯に溶かし、続いて粒状の苛性ソーダを少しづつ加えていくと、溶解熱が加わって液温が一気に上昇する。グツグツとまるで沸騰しているかのような溶け方をするが、この時にミストと呼ぶ霧状のガスが発生してくる。紫色の妖しい霧だ。

 建浴が済むと、自分も含めて周囲にいる人全員がゴホゴホと咳き込む様になる。そう、この怪しい危険な紫色のミストを吸い込んでしまっているのだった。このアルカリ系のミストは酸系の時とは違った咳き込み方をする。酸系ミストだと呼吸は苦しくなるけれどコホコホという感じの軽い咳なのだが、アルカリ系ミストだと呼吸は出来るけどガホッガホッというとても大げさなしつこい咳になる。これって恐らく粘膜が溶けているんだろうな。

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