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2014年8月15日 (金曜日)

やらかした記憶・・・第5呟【NOx(ノックス)ガスの爆発的発生】

【NOx(ノックス)ガスの爆発的発生】

 無電解ニッケルめっきでステンレスタンクに槽析出してしまった場合、浴を抜いてから62%濃硝酸を張って析出したニッケルを完全に溶かしつつ、ステンレス表面への硝酸パッシペート処理(不動体化皮膜を生成する)を行う。効率良く短時間で済ませるにはなるべく生の濃硝酸を使うのがいいのだが、その分ニッケルの溶解に伴うNOx(ノックス)ガスの発生も著しい。茶色いガスで吸い込むと鼻の粘膜がやられて呼吸が苦しくなる。物が燃えた時の不透明な煙とは違い、茶色くて半透明なガス。これがそのまま屋外に出ると臭いも凄いし見た目にも火事と疑う。

 高耐食性無電解ニッケルめっき浴で起きた槽析出のニッケルを硝酸剥離していた時のこと、最初はほとんど反応しなかったが、時間差を伴って次第に溶解が進んで一気に反応、猛烈なNOxガスがボコボコと噴出し始めた。この時のガスが室外に大量放出し茶色い煙を見た近隣住民が119番通報したことがあった。よく知っためっき屋は、もちろんドラフトを通じて無害化して排気することは当たり前にやっているが、NOxはどうしても発生するので発生源付近に濃アンモニア水を張ったバットを置いておいたりする。すると、茶色いガスは瞬時に白いガスへと変化して弱毒化する。これは空気中でNOxガスとアンモニアガスとによる中和反応が起こり、硝酸アンモニウムが生成するからである。この工夫で随分と危険性が下がり、作業環境の改善も図ることができる。

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化学屋のキケンな日々」カテゴリの記事

コメント

連続投稿ご苦労様です。

よく生き延びて来れましたね。
一応化学屋の私からすると恐ろしいとしか言いようがない無謀な事件が羅列されて驚いています。

[mytoshi]さん、事情知らない一般の方だと笑えるネタでしょうけど、化学屋だと壮絶な感じが判ってしまうのですね。

 『・・・・・のやらかした記憶シリーズ』はもしかしたら関係各位等、外部から削除依頼掛かるかも知れなくてドキドキしながら記憶を紐解いているところです。

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