やらかした記憶・・・第2呟【過酸化水素の爆発的分解】
【過酸化水素の爆発的分解】
鉄系材料の鏡面化学研磨に使った酸性フッ化アンモン過酸化水素系エッチング液をドラフトで中和分解していた時のこと。5L位のエッチング廃液を切断した10Lポリ容器に入れて水酸化ナトリウムの粒状を直接投入していた。すると瞬間的に過酸化水素が分解して大量の酸素がシュワシュワと発生してくる。ガスが出なくなったら中和終了なので、ひたすら様子を見ながら続々と投入していく。鉄系の鏡面化学研磨剤は過酸化水素の濃度が比較的に高いので、相当量の水酸化ナトリウムを投入しなくてはならない。一気に入れると爆発的に反応して収拾がつかなくなるので少しづつ入れいた。・・・少し入れてガスの出方を見てからまた少し入れて・・・・・ああ、そろそろ面倒になってきた。それでちょっと多めに入れてみた・・・・・ブワッブワッ~!うわ~、いかんいかん、退避!退避!!!
ドラフト内は溢れた茶色の泡だらけ。これは溶けていた鉄分が中和して水酸化鉄の茶色いヘドロ状になったものだ。そう、既に廃液は中和点に近づいていたのにそこへ必要以上の水酸化ナトリウムを投入してしまったものだから、急激にアルカリ側へシフトして一気に過酸化水素が分解したのだ。さらに中和反応熱も蓄積してそろそろ液温が60度を超えていたから、熱による分解反応も一気に加速したという訳で。
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