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2014年2月18日 (火曜日)

上下垂直落下型揺動装置(4/9画像追加)

 ヤマネ製作所では過去に色々なオリジナル機器を自作してきました。このページでは、ショック振動を与える上下垂直落下型揺動装置について記載しています。主に試作めっき処理で品物を揺動する必要がある場合に使います。電気めっきや無電解めっきなどの成膜中、品物の表面に付着する気泡を除去しないとその部分は凹んだ仕上がり(業界ではピットという)になって外観不良品になります。品物表面に吸着している気泡を除去するにはショック振動を与えるのが効果的で、偏心カムやスプリング、ハンマーなどを利用した様々な機構が存在します。本装置は重力を利用した単純なショック揺動で、簡単な機構の割には気泡の離脱効果が優れています。

Sdim03001  上図写真ではその大きさが比較できます。267mL標準ハルセル槽の大きさが判らない人には全く想像できないかもしれませんが、この手の揺動装置としては小型コンパクトです。見た目では判らないでしょうけど装置重量は4kgほどあり、装置下半分に鉛のオモリを積んでいるのです。これは品物に効率よく振動を与えるには装置側が安定していなければならないからです。

Sdim03011【Model:20000721-3】(このシリーズの揺動装置で製造順3番目)全部で5台くらい作ったでしょうか、メインのショック揺動機構は同じですが、エアーポンプやショック揺動積算カウンターを搭載したもの、揺動間隔調整は基本デジタル設定ですがアナログ式を併用しているもの等々、バリエーションがありました。

【揺動機構】12Vのギアモーターを間欠運転し、上下にスライドする落下板を持ち上げて落とす仕様です。再現性を考慮して、持ち上げてから落とす時の落下距離を10~50mm範囲で5mm単位の調整が可能です。

【揺動設定】試作めっき報告書に記載する揺動条件は再現性を考慮する必要がありますので揺動設定はデジタルコントロールで数値化しており、間欠動作時間は予めプリセットしてあるものの中から随意選択します。秒数は2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60,90を設定でき、2秒間欠運転ならば30回/分、15秒間欠運転なら4回/分の揺動条件になります。

Sdim03031_2【上下落下板】上下にスライドする落下板に取り付けるジグを取り換えることで、様々な品物をクリッピングすることができるようにしています。基本的にはコの字型に曲げた3×10mmの銅帯材の先に5Aや10A用のワニ口クリップを取り付けたジグを使っています。

【バリエーション】最初は揺動間隔設定をアナログで設定してましたが、再現性を確保するためにデジタル式に移行しています。エアーポンプを装備しているタイプは試作でめっき浴のエア撹拌が必要な時に重宝します。

P10100041_2【Model:20000804-4】(このシリーズの揺動装置で製造順4番目)ショック揺動積算カウンターを搭載しているタイプで、品物に与えたショック揺動回数を計測できます。外部割込み信号により揺動を停止可能で、これは携帯電話基板における部品脱落再現試験で模擬部品が実際にショック振動によって脱落するのをセンサー感知するものでした。

【使用パーツ】日本サーボ製12Vギアモーターをメインに、マイコンチップPIC16F84へプログラミングした制御回路、4kgの鉛製おもり・・・・・と、あまり大したことはありませんね。総コストは¥10,000前後というところでしょうか。 

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